息もできない  
2012.05.17.Thu / 10:11 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






人を愛する術を知らない男。
それは他人に愛してもらった経験が無かったから。
だから、どう振舞っていいのかが解らない。

しかし、人を愛したい、愛されたい。
知らず知らずの内にそんな想いで心が渇望し、
けれど、その想いを満たす術すら分からない。

解らないままに、愛を求めて突っ走った男の魂。
そんな男の魂の叫び。
その鬼気迫る迫力と哀しさに圧倒される映画。




暴力を生業としている男、サンフン。
根っからの暴力好きな男に見えて、しかし、
本当は愛に飢えている男。
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  運動靴と赤い金魚  
2012.05.17.Thu / 10:07 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






大人に取っては些細な事でも、
子供に取っては人生の一大事。
広い様で、とても狭くて小さな子供たちの世界。
しかし、想いの強さは大人にも決して負けてはいない。
そして、大人に負けないほどの優しい瞳を持っている。

昔は私たちも持っていたのかもしれない。
そんな懐かしい世界を描いた映画。


陳腐な言葉がよく似合う映画は良い映画だと思う。
なぜなら、言葉が持つ表現力以上に、
その意味の大切さを伝えることができているからだ。
物を大切にしなさい。兄弟は仲良く。
他人には憎しみよりも優しさを。物の豊かさよりは心の豊かさを。
それらは良く使われる、とても陳腐な言葉なのかもしれない。
説教に使われても、説得力はないだろう。
しかし、これらの言葉が実感を持って、この映画からは感じられる。
それ故に、この映画は、良い映画なのではないかと感じる。




貧しいイランの家に住む、アリとザーラ。
病気の母親のために家事を手伝い、
貧しい家計を心配する心優しき兄妹。
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  ルルドの泉で  
2012.05.10.Thu / 10:01 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






淡々と進むストーリー。
出来事といえば、ある女性に起こった奇跡。
しかし、それ自身も、この映画では劇的に描かれているわけではない。

けれど、目が離せない。
人々の思い、考えが画面から濃密に伝わってくる。
努力は報われるのか?
祈りは通じるのか?
奇跡は起こるのか?
なぜ、彼女なのか?
なぜ、私ではなかったのか?
神が奇跡を起こす人を選ぶ基準とは?
果たしてこれは一過性のものなのか、永続的な奇跡なのか?

奇跡を信じて祈り続ける人々の苦悩。
奇跡を目の前にした人々の戸惑い。
そして、それを支え見守る人々の思惑。
そんな想いを通して見えてくる宗教の意味。

将来に不安を抱えながら、しかし、
ラストでは微笑みながら車椅子に座る女性。
そんな彼女を通して見えてくる生きることの意味。

交錯する人々の意識の濃密さが印象的な映画。




手足が不自由な女性、クリスティーヌ。
自身で人生を決めたい。普通に暮らしたい。
けれど、それは絶望的な願い。

似たような境遇の人々が奇跡を信じて祈りを捧げる。
映画の最初の部分は、ルルドという場所の観光巡りのようなシーンが続く。

なぜ奇跡は起こるのか?
どのようにすれば自分の身に起きるのか?
神は自由なのか、不自由な存在なのか?
自由な存在ならば、なぜ多くの困った人々を助けないのか?
それらはルルドで祈りを捧げる人々には切実な疑問。
けれど、
神は体を癒すのではない。心を癒すのだ。
苦し紛れとも感じられるが、神父は常にこう答えるのだろう。
いままでも、そして、これからも。
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  善き人  
2012.05.10.Thu / 09:52 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






善き人であった男。

もう少し幸せに暮らしたい。
そんな、ささやかな願いを叶えるために選んだ道。
その道が大きくて悲惨な悲劇を生んでしまう。

彼の善良さは最後まで何も変わらない。
けれど、知らず知らずのうちに悪事に加担させられ、
気づいた時には、取り返しのつかない悲劇になってしまった。

果たしてどうすればよかったのか?
善き人でいる事は容易いのかもしれない。
けれど、善き行いをするのは難しい。
時代に流されず、ささやかな幸せへの夢を拒めばよかったのか?

善き行い。
その選択の難しさが心に響く映画。




大学の講師、ジョン・ハルダー。
体が不自由な母親。
ピアノに没頭すると止められない妻。
二人の幼い子供たち。
そんな人々に囲まれて生活しているハルダーは、
私生活では家事もこなさなければならない、台所の天使。
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  スーパー!  
2012.05.03.Thu / 09:44 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




殺しちゃいけないって
知らなかったのよ


最初はコメディ映画だと思っていた。
けれど、笑えない。それどころか、
途中からドン引きしてしまう展開。

それは、きっと二人の思い込みの強さ故、
なのだろう。

正義のためならば、ヒーローは何をしてもかまわない。
相手が悪人ならば、レンチで手ひどく殴りつけてもかまわない。
自分の怒りは正義。奪われた妻は自分が取り戻す。
なぜなら、自分は神に選ばれた者。
そして、エスカレートしてゆく、彼らの暴力。

ラストは一見すると、なんだかハッピーエンド。
けれど、これはバットエンドなのだろう。
なぜなら、男の意識は変わっていない、
自分という殻から抜け出せていないのだから。

自らが思い込んだ世界から抜け出せなかった男。
そして最後まで、その世界に浸り続けた男。
そんな男の悲劇を描いた映画。


そして、美形でもセクシーでもない(と個人的には感じている)のに、
なぜか不思議な魅力を放つエレン・ペイジの怪演が、
その最後も含めて、とても印象的な映画。




ダイナーで働く冴えない中年男、フランク。
美しいサラとの結婚式。警察官の強盗逮捕を助けた事。
この2つだけが、自身の人生の輝ける瞬間。
しかし、悪人に妻を奪われてしまう。
▽Open more.
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