人類が破滅の道を歩まぬよう、
人々の未来を調整している謎の集団。
ここまでは調整者たちの思惑通り。
しかし、二人が恋に落ちるのは規定外。
デヴィットは将来大統領となり、
人々を明るい未来に導く運命にある。
エリースは有名なダンサーとなり世界的な振付師になる。
未来は自分たちが選択しているわけではない。
調整者たちが決めている。
二人が結ばれれば二人の運命は変わり平凡なものになってしまう。
一度はエリースを諦めたデヴィット。
けれど、たとえそうであっても未来は自分が決める。
調整者たちが決めた以外の未来はあるはずだ。
運命を変えようとした結果、
調整者たちに追われるデヴィットとエリース。
運命の書を記述した議長を説得するため、
議長を追い求める二人。
運命の書は書き換えられ白紙の未来に向かって歩き始める二人。
自由意志を貫いて自身の運命を自らが決める。
強い意志があれば可能なことなのだろう。
二人が強く愛し合っていることが、この映画の根幹を支えている。
それは、マット・デイモンとエミリー・ブラントの存在感に追うところが多いように感じた。
けれど大統領や有名ダンサーへの道を捨てることに葛藤が少なかったり、
全てを掛けて扉をくぐった感じも薄く、
追い詰められてリセットされる危機感も少なく感じてしまった。
だから議長の書き換えの動機も心に響かない。
言いたいことは解るのだが、
なんだか、とても不可思議に感じた映画。
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