世界はなにも変わらない。
その残虐な行為はエスカレートし、
抗うすべなき庶民を苦しみ続けている。
しかし、今のランボーにとっては、
無関係なことなのだろう。
軍事政権が少数民族の弾圧を続けている。
その少数民族を助けるためにやってきた、宣教師たち。
武器も持たず、護衛もいない。
それでも苦しんでいる人々を救いたい。
ランボーから見れば、それは無謀な行為。
最初は突き放したが、宣教師の一人であるサラの熱意に押され、
彼らを死地に運ぶランボー。
案の定、捕らえられてしまう宣教師たち。
宣教師を救うため集められた傭兵たち。
傭兵たちにとっては当然ではあるが一番大切なのは自分たちの安全。
目の前で無残にも殺されようとしている村人たちを見捨てようとする。
しかし見捨てなかったランボー。
ムダに生きるか、何かのために死ぬか。
暴力に抗うすべを持ち、
その為の訓練もしてきた彼ら。
宣教師たちには熱意も理想もあるが、
この悲惨な世界を救う力はない。
それは自分たちのも同じなのかもしれないが、
少なくとも抵抗する技術と経験を持ち合わせている。
彼らを助けることができるのは、俺たちのような、
手を血に染めてしまった者たちだけ。
彼らの理想実現への助力ができるのは、俺たちのような、
現実の厳しさを嫌というほど味わった者たちだけ。
そして、それこそが自分たちのような男に、
最後に残された生きる意義なのだろう。
宣教師たちを救い出し、味方の援護もあって、
敵を全滅させる。
これで終わったわけではないのだろう。
しかし、理想を持った者たちを助けることで、
ランボーも自身の中に一区切りつけることができたのだろう。
男の美学のようにも見える、
ランボーの生きざまが心に残る映画。
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