息子と見たリチャード三世の演劇。
本当にリチャードは非道な王だったのか?
本当の彼を知りたい。
それは、本当の自分を理解してほしいという願望の裏返し。
書物を漁って探求する。
ファンクラブに参加して知識を深める。
そしてリチャードの墓を見つけたいと考える。
無残にも散骨されたのではなく、
敬意を持って埋葬されたのならば、
リチャードの評価は変わるはずだ。
時折見かけるリチャードの幻影。
それはフィリッパの願望の表れなのだろう。
自分の本当の姿を知って欲しいと願う想いの表れなのだろう。
遺骨探索には多額の費用が必要だ。
投資をしても見つかる保証はどこにもない。
そしてフィリッパは専門家でもない。ただの素人だ。
それでも人々に訴え掛け続ける。
リチャードの本当の姿を知って欲しいと。
多くの人々が資金集めに協力してくれた。
無理解だった夫もフィリッパの真摯な行為を見て考えを改める。
遂に始まるリチャードの遺骨探索。
最初に見つかった遺骨。
多くの専門家が、あれはリチャードのものではないと言う。
しかし、専門家の意見など聞くべきなのか?
専門家だから正しいと盲目的に信じてよいのか?
追加資金で遺骨を探索する決断を下したフィリッパ。
それは、とても重圧の掛かる決断。
しかし、フィリッパの願いの為には為すべきことなのだろう。
見つかった遺骨はリチャードのもとの判明した。
しかし、手柄は資金援助をした大学のものとなってしまった。
そして王家の紋章もリチャードには与えられない。
それでも訴え続けるフィリッパ。
本当の彼の姿を知って欲しいと。
最後にはフィリッパに栄誉を送るイギリス王女。
皆が認めてくれた。本当のリチャードを、そして本当のフィリッパを。
彼女自身の戦いを全うしたフィリッパ。
その姿が美しくも嬉しく見えた映画。
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