自転車泥棒 

「ネタバレ」あり。ご注意願います。




最後まで画面を正視する事ができなかった。
それほど、哀しみに溢れている映画。
人が死んだり、大きな災害に襲われるわけではない。
単に自転車が盗まれただけ。
しかし、それは主人公にとっては大きな悲劇であり、
そして、自分では、如何とも解決し難い深い絶望なのだ。
しかし、深い哀しみに溢れていても、この映画はまぎれもなく名画だ。
父親に寄り添う息子の優しい眼差し。
悲劇と絶望に溢れた、しかし、限りなく優しい名画。


貧困に苦しむ、戦後間もないイタリア。
2年間定職に就くことができない父親。
昔であれば、一家の家計を支えていたのは自分であった。
しかし、そんな誇りも奪われて、
今は惨めにも昼間から職安に並び、来ない職を待ちわびる。
自分は、役立たずな男なのか?
貧困にあえぐ家族を目の前にしても、なにもできない日々。

やっとあり付けたポスター貼りの仕事。
妻の嫁入り道具を質にしてまで手に入れた、採用に必要な自転車。
しかし、出勤初日に自転車は盗まれてしまう。

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最高の人生の見つけ方 

「ネタバレ」あり。ご注意願います。




予想通りの俳優たちの演技。
予想通りのストーリー展開。
しかし、予想以上の素晴らしさ。
映画とはこんなにも面白く撮ることができるのか。
役者同志のアンサンブルに魅了される、まさに映画らしい映画。
そして、ささやかな人生にも、
なにもなかったと思っていた人生にも、
幸せが確かに存在していたことを描いた映画。


ガンにより余命わずかなカーターとエドワード。
カーターは、家族を養うために夢を断念し、
エドワードは、事業の為に自らの人生から家族を切り捨てる。
それは、彼らにとっては人生の大きな後悔なのだろう。
人生には、もっと大きな喜びが存在するはずだ。
取り戻すのならば、今しかない。
彼らが自ら作成した、「Bucket List」を実践してゆくカーターとエドワード。

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スルース 

「ネタバレ」あり。ご注意願います。




男のプライドと意地を掛けて、相手との勝負に臨む男二人。
息苦しいほどに、ピリピリとした緊張感。
しかし、勝負の途中、いつしか相手を本能的に理解し、
相手に特別な感情を持ってしまう男たち。
果たして勝負はいったいどちらが勝ったのか?
密室にも似た場所で繰り広げられた男たちの勝負を描いた映画。


妻を寝取られた作家、アンドリュー・ワイク。
ワイクから妻を奪った男、ティンドル。
男の意地とプライドを掛けてお互いを騙し合う二人。

最初の勝負はワイクの勝ち。
しかし、ティンドルは勝負が始まったことを知らされてない。
かなりアンフェアな勝負ではあるが、
ティンドルは見事に騙され、自分の恥をさらしてしまう。

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潜水服は蝶の夢を見る 

「ネタバレ」あり。ご注意願います。




体の自由を失った男。
しかし、まだ心の自由は失われてはいない。
人間の尊厳とは、他人にどう扱われ、
どのように思われることに依存するのではない。
自分が自分自身をどう思うかに依存しているのだろう。
男に残された心の自由。
その想像力と記憶で自由に羽ばたき、自らの尊厳を守った男。
美しい映像とともに、人間の無限な可能性を描いた映画。



突然の発作により、体の自由を失ったジャン。
鏡に映った変わり果てた自分の姿。
まるで赤ん坊のように体を洗ってもらう自分。
そんな状況に、死にたいと最初は願ったが、自らを憐れむのを止める。
なぜなら彼には、まだ残された自由があるからだ。
それは、彼が持つ記憶と想像力。
企画途中であった本を別な形で仕上げようとする。

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ゾディアック 

「ネタバレ」あり。ご注意願います。




ゾディアックと名乗る男が、
公認されているだけでも5人の人間を惨殺し、
新聞社に脅迫状を送り続けた、60年代に発生した連続殺人事件。
しかし、その怪奇性や猟奇性を描こうというよりは、
この事件を記録として残そうとした姿勢が強く感じられる映画。
この事件に関わった人々は三種類に分けられるように感じられる。
ゾディアック自身、もしくはその名前を語り、
世間を騒がせ、支配した気になり、快楽に浸った人々。
自らの名前が公となり、ゾディアックの攻撃の対象となり、
被害を被った人々。
そして、家族を犠牲にしてまで純粋に謎解きを楽しんだ男。
三者三様のかかわり方を通して、
ゾディアック事件を忠実に記録として残そうとした映画。
そして、私には、人が謎との距離をいかにして取るのかが印象的な映画。


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