投書が原因で職場を解雇される。
年齢を理由に働き口も見つからない。
従業員仲間も孤独死を迎え、
市役所の生活保護の受付も窓口を閉ざしている。
疲れ果ててたどり着いた公園で出された暖かい食べ物。
やっと人の優しさに触れることができた。
しかし、それは差し出した当人も気づいてはいない、
狡猾な誘いの手口だったのだろう。
Plan75に申し込んでしまうミチ。
Plan75の窓口で働くヒロム。
ある日、久しぶりに会った叔父がPlan75の申し込みに来た。
当人が決断したのなら、それは仕方ないこと。
しかし、心に残るしこり。
一緒に夕食を食べる。
施設に送り届ける。
声が似ている。兄弟だから当然だと笑い合う。
このまま死なせてしまっていいのか?
叔父の死後を他人に任せてよいのか?
叔父の遺体を強奪するヒロム。
Plan75のコールセンターで働く瑤子。
Plan75に申し込んだ老人たちの心のケアを担当する女性。
しかし、その実は、
死を選択した老人たちの心変わりを抑えるための役割。
担当する老人とは会ってはならない規則。
しかし、ミチに興味を持ち会ってしまう。
会えば相手の事を深く知ることができる。
この人は、まだ死んではいけない人であることもわかる。
しかし、止める方法はない。
最後の電話での会話。
いつでもやめることは可能です。
本当は止めたい。しかし、暗にそう伝えるのが精いっぱい。
その後、私的にミチに電話を掛けようとし、
しかし不幸にもつながらない。
この制度は本当に正しいのか?
そんな疑問が頭から離れなくなる。
死体処理を行う施設で働くマリア。
手術を必要とする娘を持つが故に、
高額の報酬の為、施設で働く女性。
老人たちの遺品、遺骨までもが搾取の対象。
施設にとっては重要な資源。
そんなやり方に疑問を持っているからこそ、
マリアはヒロムの手助けをしたのだろう。
警察に捕まってしまったヒロムのその後は?
自身の仕事に疑問を感じ始めた瑤子は、どうするのか?
娘の手術が終わった後にマリアは何をするのか?
施設を逃げ出したミチ。
行く当てはない。所持品もない。
けれど、私には、まだ生きる力が残されている。
最後まで生き抜いてみせる。
その眼差しの力強さが心に響く映画。
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