この映画を未見の人は、映画を見てから下記を読んでください。
ネタバレ満載なので。
お願いします。
荒唐無稽な題材を、
超大真面目に描き切る。
シャマラン監督の持ち味全開の映画。
ただ、ラストがもっと良かったのなら、
きっと文句も言われなかったかもしれない。
そこが、少し残念な映画。
他人とは異なる異様な能力を持ってしまった人々。
ある時は自身の存在意義に悩み、
ある時は他人から、その能力を否定され、
自分も自身の能力を疑い始める。
しかし、彼らの人生において、
経験してきた事、感じた事は事実なのだ。
自己肯定を経て新しい人生が始める。
そんなことも描きたかったのかもしれないと感じた映画。
一般の人間と比較して得意な能力を持つ三人の男たち。
決して壊れない不死身の肉体と悪を感知する能力を持つデヴィッド。
多重人格で壁や天井を這い回ることができ、強靭な肉体を持つケヴィン。
壊れやすい体を持つが知能が異様に高いイライジャ。
他人とは異なる故に不遇な境遇に生きる男たち。
▽Open more.
世の中に混乱をもたらさないように、
そのような異能者は矯正すべきだ。
それが出来なければ排除すべき。
そのような思想で行動する秘密組織。
まずは三人に自己の能力を否定する洗脳を施す。
自身の能力を疑い始めるデヴィッドとケヴィン。
しかし、脱走を試みるイライジャ。
大勢の前でデヴィッドとケヴィンが戦えば、
誰もが、その能力を認めざるを得ない。
そうなれば、自分たちのことも認めてもらえるはずだ。
ここから先は二転三転。
このあたりの演出はお見事。
デヴィッドとケヴィンの戦いは、
闇に葬られるはずだった。
しかし、秘密組織の上を行くイライジャの知略。
こうして、イライジャの野望は実現した。
これは誕生の物語。
多くの人は知った。
コミックブックに記録されたスーパーヒーローは実際することを。
そして、三人同様に異能を持つが故に、
不遇な境遇に身を置き、自らを疑い、否定してきた人々が、
自己肯定を経て新しい人生を始めるだろう。
ただ動画が公開されても、
フェイクだと非難し認めない人々はいるだろう。
最後の詰めが残念な映画。
ただし、異能に苦しむ人々には届いたのかもしれない。
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