さくや妖怪伝  
2002.07.15.Mon / 23:04 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。

非常におしい映画である。これが、私の第一印象でした。

それは、よい点と悪い点が、自分にとってははっきりしていて、 「もう少しがんばれば、もっと面白くなったのに」という意味においてです。

まずよい点からはじめます。
多分、これは誰にとっても依存はないと思いますが、松坂慶子の演技力でしょう。
太郎少年を誘惑するシーン、キメの台詞を言うシーン、最後の対決のシーン。
特に、最後の対決のシーンは特撮技術の力もあいまって、大迫力でした。
巨大化した松坂慶子が、町を破壊して歩くなんて、よく、あの大女優が、出演了承したなあ。 しかも、手抜きなしで演じていてるではありませんか!!
さくやを見つけて、体を傾けるシーンには、思わず背筋がゾクっとしました。

主人公の咲夜、その弟である河童の太郎との関係が丁寧に、わかりやすく描写されていました。
時には手をつないで旅をし、時には反目しあう様子がわかりやすく描かれており、 テーマともなる「アウトロー同士の関係」、つまり、 妖怪とも生活できず、かといって人間としても生きられない者同士の愛憎や宿命が 伝わってきました。

4人のキャラクターも個性がはっきりしており、活躍する場面もキチンとあるのもよかったです。

殺軍にしても、日本映画独特のキメの間というか、「静」と「動」の切り替わりのタイミングが よかったと思います。余談ですが、このような「間」は、本当に日本映画固有のもののような気がします。
海外にも、剣で対決するシーンを持った映画はたくさんありますが、「動」ばかり、しかもスピード命と ばかりに、かなり早いシーンの連続で、それはそれでいいのですが、もう少し「静」があれば、 もっと引き立つのではと思います。

最後の富士山と朝日のシーンもとても美しかったと思いました。

次に悪いと思った点です。

あまり、映画の悪口は言いたくないのですが、 まず、妖怪の造型、旅の最初に登場した人間に友好な妖怪たちの造型は、ちゃちすぎるといわざるを得ません。
そこまで、ハードに構築されてきた世界観が、一気に崩れてしまった感は否めません。
子供を意識するあまり、あのようになってしまったのでしょうか?
シーン的には、すでに妖怪とは共存したくとも、できない太郎少年の立場を描くため、必要なシーンではあると 思いますが、もう少しなんとかならなかったのでしょうか?

殺軍を誉めたばかりなのですが、一点気になったのは、アップの絵が多過ぎた点です。 咲夜を演じた方にとって、このようなシーンが不慣れなのでしょうか?それをごまかすためのように 思えてなりません。

全体的に、古き日本映画のよき雰囲気を大切にし、特撮的には先端を進んでいる映画であると感じました。 ですので、なおさら残念に思えてなりませんでした。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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