アメイジング・グレイス  
2012.08.02.Thu / 14:59 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






絶対に勝たなければならなかった戦い。
しかし、その戦いに敗れてしまった男。
自分が失敗してしまったが故に、
未だに多くの奴隷たちが、
苦渋の日々を送ることになってしまった。

体調の悪化、罪の意識。深い失意と絶望。
しかし、男は再び立ち上がる。
男を再び立ち上がらせたのは、
善き配偶者、善き友、善き仲間たち。
そして、善き師とアメイジング・グレイスの歌。

道を見失い迷っていた人間が再び神の道を歩み始める。
たとえ一時は道を見失おうとも、
人は再び道を見つけることができるのだ。
それは、自身の不断の努力と多くの人々の助け、
そして神の恵みによって。

偉大な事を成すことができた男の神への感謝。
それは、神の恵みに導かれたことに対する絶対的な安心感と幸福感。
そんな、神の慈愛に感謝する男に心打たれる映画。





弁が立つ国会議員、ウィリアム・ウィルバーフォース。
他人の馬であっても惨い扱いを受けていれば助ける、慈悲深い男。
残りの生涯を神の奉仕に使いたい。
しかし、多くの人が彼を思い留まらせる。
なぜなら彼にしかできないことがあるからだ。
そしてウィルバーフォースは知ることになる、奴隷たちのひどい惨状。
奴隷たちの解放を誓うウィルバーフォース。
しかし、その道は長く険しい。


絶対に勝たなければならなかった戦い。
しかし、根も葉もない噂、国益、戦争と愛国心、
多数派工作や中途半端な妥協案。
それらに負けてしまうウィルバーフォース。
休養を取ろうとしても眠れない。
長年の友とも仲違いしてしまい、
体調を崩して、アヘンチンキを服用することに逃げ、
失意と絶望の日々を過ごす。

しかし、ウィルバーフォースは再び立ち上がる。
妻となる女性、バーバラに励まされる。
「宰相として注意する。しかし、友としては気にせずやれ。」と友が背を押す。

そして、師であるジョン・ニュートンも、ウィルバーフォースを鼓舞する。
ニュートンもまた、絶望の日々を過ごしてきた。
自分を責めるあまり自らの罪に背を向けて過ごしてきた。
しかし、彼もまた、立ち上がる。
自らの罪を懺悔し自伝を記す。それは奴隷たちの為に。
犯してしまった罪に対して、今の自分ができることは何なのか?
自伝出版とは、自身ができることは何なのか、を自分自答し続けた結果なのだろう。
そして、それはニュートンの見えなかった目が見えるようになった瞬間。
彼もまた、神の道に戻ることができたのだろう。


最後には奴隷制度は廃止される。
ついにウィルバーフォースは、やり遂げたのだ。

何かを変える時、民主政治では時間が掛かる時がある。
それは問題が複雑で様々な人の思惑、利害関係が絡むから。
しかし、人々が政治に対する関心と熱意、倫理と道徳の心を失わなければ、
民主政治により、世の中はきっとよい方向に進むのだろう。

そして、真に尊敬すべきは、
派手な戦争をして、人を殺して英雄と呼ばれる男より、
地道な活動の末に、人を助けて英雄になった男なのだ。



アメイジング・グレイス。
たとえ一時は道を見失おうとも、人は再び道を見つけることができる。
それは、自身の不断の努力と多くの人々の助け、
そして神の恵みによって。

多くの人の賛辞の拍手の中、無言で立ち尽くすウィルバーフォース。
静かにこみ上げる幸福感、満足感、さまざまなことに対する感謝の想い。
そして、神の恵みに導かれたことに対する絶対的な安心感と幸福感。
そんな、神の慈愛に感謝する男に心打たれる映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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