ハウルの動く城  
2012.08.16.Thu / 15:12 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






引っ込み思案だった少女。
呪いを掛けられ姿を変えさせられ、しかし、
それにより、以前よりは遥かに行動的になれた。

恋に落ち守りたい人ができた。
だから、ガムシャラに行動する。
自らの不安と戦いながら。
そして失敗しても前進を諦めない。

反戦がテーマな映画かもしれない。
家族愛が描かれた映画なのかもしれない。

けれど、一番印象的だったのは、恋する少女の行動力。
もしかしたら、彼女は魔法が使えるのかもしれない。
それは皆が仲良く暮らせる、飛び切り素敵な魔法。
そして、乙女の一念岩をも通す。
最後には自分が守りたかった人々と、
家族のように幸せに暮らすことができた。

それを実現した彼女の一途さが印象的な映画。




亡き父から受け継いだ帽子屋を営む、ソフィー。
引っ込み思案で、自虐的。
自分の人生を粗末に扱ってしてしまっているのでは、、
そんな心配を抱かせてしまう少女。
魔法使いのハウルに出会い、恋に落ちた。
しかし、荒地の魔女に呪いを掛けられ、老婆に変えさせられてしまった。
けれど、これは本当に呪いなのだろうか、、、
呪いを掛けられたはずなのに、ソフィーは以前よりも快活な女性になってしまった。
呪いとはむしろ、以前まで持っていた引っ込み思案の考えの方なのでは?、
これは、呪いによって別な自縛の呪いから開放されたということなのか?
そんな感想を抱かざるを得ない、とても不思議な呪い。

ハウルの城で掃除婦になったソフィー。
けれど、なにもかもが彼女中心で回ってゆく。
不思議と皆がソフィーに言いくるめられて、従い、彼女が中心となってゆく。
まるで、言葉の魔法をソフィーは操っているかのよう。
日常のしがらみから開放され開き直ったからなのか。
それとも、恋する少女の持つ魔法なのか?


包容力があって、もの静か。優しくて自信に溢れ、とても素敵な男性に見えるハウル。
ソフィーにとっては憧れの対象で、手の届かなかった存在。
けれど、本当は弱虫で臆病。強くあろうと振舞っていたその行為は、実は弱さの裏返し。

自由を尊ぶハウルは戦場に出ては、戦争の邪魔をしている。
その度に元に戻れなくなる危険を顧みず異形の姿に変身する。
しかし、自身を逃げてばかりといっているのは、何故なのか?
何の為に戦っているのか分からなかったからの台詞なのか?
それともサルマンに対する覚悟を決めかねているからの台詞なのか?


ソフィーの街が戦場となり、住んでいる場所が焼かれた時、
しかし、今度は逃げなかったハウル。
それは守る者ができたから。
けれど自身を犠牲にする戦いは、痛々しい。

ハウルを助けたい。それはソフィーの心の底からの願い。
その為に家を捨てる。そしてハウルの元に駆けつけようとする。
けれど論理的に考えれば順序が逆だ。
少なくともハウルに家を捨てる決意を告げなければ、家を捨てる意味が無い。
しかし、ソフィーは必死だ。考える為に立ち止まってはいられない。
ガムシャラにその場その場で良いと思ったことを即実行してゆく。
一度は、カルシファーに水を掛けてしまい、絶望してしまったソフィー。
けれど、再び立ち上がる。ハウルを助けるために。
そんな彼女の行動が最後にはハウルの心を取り戻し、皆を平和なラストに導く。


悲惨な戦場を描いた反戦映画のようにも思える。
家族のように人々が仲良く平和に幸せに暮らす様を見るとほのぼのする。
そんな家族愛がテーマのようにも見える。
そして二人の成長も、この映画のテーマなのかもしれない。
一方的に相手を守る、相手から守られるという関係は、お互いに苦しい思いをするだけだ。
守り、守られ、助け合う関係がちょうどいい。
だから、自ら困難を乗り越え自身に自信を持つことは、良い関係を築く上では大切なことだ。

しかし、それ以上に心に残ったのは、ソフィーの必死さ、その行動力。
この映画が分かりにくいという感想を持つ人が多いのは、
ソフィーのラストの一連の行動が直感的で論理的ではないからかもしれない。
けれど、必死な人が論理的に行動するのは無理な話だ。
そして、その必死さが、最後には幸せなハッピーエンドをもたらしたのだろう。
そんな彼女の一途さが印象的な映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1015 / タイトル は行 /  comments(2)  /  trackbacks(1) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY
- from YAN -

ヤンさん、こんにちは!
恋する少女の一途な思いと必死の行動が
感動を呼ぶジブリ作品でしたね。

老婆になってから快活な魅力が出てくるんですが、
あまりに老婆の姿が多いので、画面的に華が無いんですよね・・・(^^;

でも、2人の成長や愛の力も描かれていましたね。
平和なラストに、家族が一番のテーマなのかなと思いました。

2012.08.17.Fri / 17:15 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

YANさん、こんばんわ。

>あまりに老婆の姿が多いので、画面的に華が無いんですよね・・・(^^;

って、それを言っちゃ、お終いなのですが、
確かに、そのとおりですね。
ジブリの描写の細かさは凄まじいまでに素晴らしくて、
今回は、おばあさんの動作が本当におばあさんになっていて、
だから、余計に華がなくなってしまったのかもしれませんね。

なんか、いろんなテーマを詰め込み過ぎている気がしない
でも無いのですが、失敗を恐れずに前向きに行動する、
ってのが一番印象に残りました。


それじゃ、また、

2012.08.18.Sat / 22:49 / [ EDIT ] / PAGE TOP△

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