せかいのおわり  
2012.08.23.Thu / 11:49 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






居心地の良い、せかい。
皆が平和で笑いながら暮らせる、せかい。
相手のことを思いやり、失うことを恐れ、多くを求めない。
だからこそ成り立っている、脆くも危うい、せかい。

この映画の題名は、せかいのおわり。
だから、最後には、この居心地が良かった、せかいが崩壊し、
彼らが新しくも別なせかいへ旅立つと、勝手に想像していた。
確かに、せかいは崩壊しかかったが、
けれど、ぎりぎりの所で踏みとどまる。
彼らが、ぎりぎりの所で、この居心地の良さを、
失いたくはないと感じたからだろう。

だからと言って、彼らの弱さを批判はできない。
世界に終わりが来ても共に空を見上げてくれる人がいる。
それは、とても素敵なことのようにも思える。
そんな居心地の良い誘惑故の繰り返し。
堂々巡りをせざるを得ない心情が哀しくも切なく感じる映画。




はる子が好きな慎之介。
慎之介が好きな店長。
けれど本音は打ち明けない。
なぜなら、この居心地の良いせかいを、失いたくは無いから。
自分の想いを秘めていることは、とても切なくて辛い。
けれど、一人になるよりはまし、と考えているのだろう。


彼氏にフラレても戻る場所がある。
恋する人は、いつかは戻ってくる。
恋する人が、常に傍に居てくれる。
そんなことが繰り返される毎日。
彼氏に裏切られひどく傷ついた、はる子。
ぎりぎりの所で、はる子に去られ、ひどく傷ついた慎之介。
けれど、彼らは、この居心地の良いせかいを守る為ならば、
平気で相手を傷つける。
彼氏に裏切られた痛みを知っているのに、はる子は慎之介を便利に使い続ける。
はる子の為ならば、ナンパしてきた女の子たちを平気で捨てる慎之介。
彼らは、とても救われない性を持っているように感じてしまう。


もしかしたら、三人は相手の気持ちに、
うすうす感づいているのかもしれない。
であるならば、ますます彼らは救われない。


はっきりとでは無いけれど、はる子に自身の想いを伝えた慎之介。
荒れた慎之介にキスをした店長。
そこから、何かが変わるはずだった。
けれど、店長は自分の気持ちを誤魔化した。
そして、はる子を追いかける慎之介。
多分、また、居心地が良くて、とても切ない、せかいに、
彼ら三人は戻っていくのだろう。
「平和だね、でもちょっと寂しい、なんつって」
と、感じながら。


幸せの絶頂に居ながらも、
別れる事が頭から離れず、常に不安な気持ちを抱えてしまう、はる子。
だから、慎之介のような存在が不可欠なのだろう。
最後に穴の底から見上げた空。
たとえ世界に終わりが来ても共に空を見上げてくれる人がいる。
それは、とても素敵なことのようにも思える。
だから、この、せかいからは抜け出せないのだろう。

堂々巡りをせざるを得ない心情が哀しくも切なく感じる映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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