ヒア アフター  
2012.08.30.Thu / 12:09 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






死後の世界をテーマにした映画かもしれない。
けれど、この映画から強く感じるのは、孤独の辛さと理解しあえた時の幸せ。

人は、どんなに言葉を交わしても理解しあえない時がある。
特殊な経験をした者や未知なる世界を信じる者と、そうでない者。
そこには、如何ともし難い、超えることができない壁がある。
それ故の絶望にも似た深い孤独。

しかし、壁の同じ側に居る人同士ならば、言葉を交わさずとも、
容易に理解し合える。
その、孤独から抜け出すことが出来た時の至福。
それは、えも言われぬほどの幸せ。
孤独の辛さが重く描かれているからこそ、その幸せが輝いて見える。


人は、どんなに言葉を交わしても理解しあえないのかもしれない。
けれど、きっと自分を理解してくれる人は存在する。
そんな人々と、いつかは巡りあうことができる。
そんな事が、とてもうれしく感じさせてくれる映画。







津波により臨死体験をした、花形ニュースキャスターのマリー。
その体験を元に本を執筆する。けれど、それは誰にも受け入れられない。
自分はスターだったはず。しかし、誰もが自分を離れてゆく。
それでも自分の経験を訴えたい。
それはジャーナリスト故の使命感なのか、それとも、
未知なる世界を究明したいが為なのか?
しかし、それ以上に私が感じたのは、
マリーは理解されることを求めていたでのはないだろうか?
自らの霊能力を呪いの力だと封印してきたジョージ。
この力を使えば他人を救うことができる。
けれど、救って欲しいのは自分自身。
なぜなら、この力を使えば知らなくてもいい事まで知ってしまうから。
そして、自身で使うタイミングを制御できないから。
だからこそ、多くの人との関係を失ってしまった。
そして、一番身近であるはずの兄からも理解はされない。


双子の兄を失ったマーカス。
二人は、いつも一緒にいた。
苦しいこと、哀しいこと、たくさんの苦難と困難。
けれど、いつも兄が導いてくれていた。
だから、それらも乗り越えることが出来たのだ。
けれど、兄は逝ってしまった。
死んでしまった兄を求めるマーカス。だから霊界の声を聞きたい。
けれど、それは誰にも理解されない願い。
そして、周りは偽者ばかり。


映画の後半までに描かれるのは三人三様の孤独、その哀しみ。
その孤独は、どうにもならない。
どう解決していいのか分からない、そんな絶望感を強く感じさせられる。
しかし、めぐり合うことが出来た三人。


兄との仲立ちをしたジョージ。
「今、戻ってきた、こう言ってる。心配ない、僕が居る。二人で一人だ、いつまでも。」
最後の言葉は兄の言葉ではなくジョージ自身の言葉のように思えてならない。
それは、目の前の少年の孤独に自分の孤独を重ねたからこその嘘。
自分自身も、この孤独から抜け出したい。そして、
この少年にも抜け出して欲しい。
だからこそ、このような優しい嘘をついたように感じられる。


そしてマリーとジョージとの出会い。
きっとジョージは自身の持つ呪いの力の全てを手紙で告白したのだろう。
それでもマリーはやって来てくれた。
彼女こそ、ジョージにとっては真の理解者なのだろう。


この映画のテーマは死後の世界とは思えなかった。
けれど、三人が最後にめぐり合う不思議さ。
三人が理解者を求めていたから、なのかもしれない。
しかし、死後の世界の人々の導きがあったからこそのめぐりあい。
そう、思えてならない。

人は、どんなに言葉を交わしても理解しあえないのかもしれない。
けれど、きっと自分を理解してくれる人は存在する。
そんな人々と、いつかは巡りあうことができる。
そんな不思議な巡り会いが、きっと、ある。
そんな事が、とてもうれしく感じさせてくれる映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1020 / タイトル は行 /  comments(2)  /  trackbacks(1) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY
- from YAN -

ヤンさん、こんにちは!

テーマが死後の世界だとは、私も思いませんでした。
死に触れたという共通の体験は、3人にとって特別なもの。
他の人にはなかなか理解してもらえないという苦悩があって、
互いの存在に気付く事が出来たんでしょうね。
良き理解者に出会えて、前を向く事が出来たハッピーエンドで
こちらも癒されました。

2012.08.30.Thu / 18:11 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

YANさん、こんばんわ。

理解されない苦悩故に、
お互いを求め、最後には巡り会うことが出来たのかもしれません。
でも、不思議な縁というのか、
運命の巡り会わせとか、
死後の人々の巡り会わせとか、、、
そんな不思議なことも、彼らの出会いからは感じました。

それじゃ、また。

2012.09.01.Sat / 23:06 / [ EDIT ] / PAGE TOP△

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死後の世界を取り上げているけど、それが中心じゃなくて、 苦しみながらも前を向いて進もうとする者達の物語でした。 今、辛い思いをしている人々の背中をそっと押してくれるよう
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