ソーシャル・ネットワーク  
2012.12.20.Thu / 20:57 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






当然ながら、私はマーク氏個人には会ったことがありません。
そして、この映画で描かれているマーク氏が本物の姿なのか、
それとも虚構な姿なのかも知りませんし判断もできません。
ですので、下記はあくまで、この映画の感想です。
ご理解していただいているとは思いますが、念の為。





何か大きなことを成し遂げるための条件。
アイデアと才能、人脈や資金、そして運。
けれど、それ以上にこの映画から感じられる条件は、
よく言えば、実行力。
悪く言えば、禁断の扉を開けてしまえるだけの倫理観の欠如。

出来ると解った画期的なことを実行に移したい。
そんな、心の中に湧き上がる大きな衝動。
その衝動に素直に従った青年。
そして得た巨大な富。
けれど彼は成功したのだろうか?
そして幸せになることができたのか?

人生の成功や幸せとは何なのだろうか?
心の衝動に従った青年の悲劇を描いた映画。



インターネットとは、何もかもが、加速度的に広がってゆく世界。
それが、良いことであっても、悪いことであっても。
だからちょっとしたきっかけで大きな富が動く世界。
たとえば、画期的なアイデアを思いついた時、
人は、どれだけ自身のアイデアに自分の時間を費やすことが出来るのだろうか?
そして、どれだけの情熱を、そのアイデアにぶつけることが出来るのだろうか?

Face book というサイトは実名登録が基本であり、
個人情報を開示することで逆に多くの人々とつながることが出来る。
そこでは、自分の情報を出し惜しみすれば、人とつながる機会は減り、
そのメリットを生かすことは出来ない。
けれど、自分の情報を不特定多数に発信するということは、とても危険なことである。
たとえは悪いが原爆開発も似たような側面を持っているように感じられる。
安全に、しかも、平和的な目的でのみ使用すれば、大きな恩恵を受けることが出来るが、
一方で、安全に運用できる保障はどこにも無く、
平和的な目的以外、たとえば戦争に使用される危険も存在する。

通常の倫理観を持つ者であれば、
個人の情報開示をするシステムを思いついても、実施には躊躇するだろう。
自分の個人情報を不特定多数に発信することを危険だと踏み留まるだろう。
けれど、エンジニアの中には、画期的なアイデアを思いつき、
それを実現したいという衝動を抑えられず、
自分の情熱のすべてを捧げるような資質を持つ者が存在する。
その才能や情熱、不断の努力は賞賛されるものであろう。
一方で禁断の扉を開けてしまうことができるほどに、
倫理観が欠如しているという側面もあるように感じられる。
だからこそ、このような大きな事を成し遂げることが可能だとも言えるのだろう。


Facebook サイトを立ち上げ巨額の富を手に入れたマーク・ザッカーバーグ。

映画の冒頭、
マークは、彼女にフラれた事でヤケになり、酔いも手伝って、
女子大生をランク付けするサイトを作ってしまう。
そのようなサイトが今までなかったのは、
アイデアとして思いついた人がいても、当人に実現するための技術が無かったり、
技術はあっても、それを実現しすることのヤバさに思い止まったり、
または、こっそりと影に隠れて実施しているのかもしれない。
しかし、このアイデアに取り付かれてしまったマークは、
隠すどころか、それを、おおっぴらに実施してしまう。
ここにも彼の資質が強く現れているように感じられる。


2つの控訴を受けてしまうマーク。
それらに共通するのは、それは彼自身の無頓着さが招いた結果だということだ。
Facebook を成功させる、その事にしか感心がなかった。
それ故に、妬みや嫉妬、友情という感情を理解できなかった。
だから、事態がこのように大きくなってしまったのだろう。
しかし、逆に言えば、そのようなことに関心が無かったからこそ、
彼は、このような大きな事を成し遂げることが可能だったとも言える。
関心の無い事は徹底的に無視する効率の良さと、
不要な者は切り捨てる非情さが、
マークに大きな事を成し遂げさせたのだろう。


映画のラストシーン。
映画の冒頭でマークを振った女子学生に友達申請を送信したマーク。
彼が Facebook に情熱を捧げた理由の一つに彼女の存在があったことは確かだ。
彼女を見返したかったのか?
彼女に認めてもらいたかったのか?
けれど、マークは彼女の別れ際の言葉の意味を理解できていただろうか?

 多分、あなたはとても成功したコンピュータ技術者になれる。
 けれど、女の子たちには好かれない。
 それは、あなたがオタクだからではなく、人格が最低だからだ。

人格が最低だというよりは、
彼の心には何かしらの感性が欠如して居るということなのだろうが、
それでも、彼女の言葉通りの人生を歩んでしまったマーク。
マークに大きな事を成し遂げさせた、彼の資質が、逆に、
最後までマークに、彼女の言葉の意味を理解させなかったのだろう。

人が何か大きな事を成し遂げるために必要な資質とは?
そして、人生の成功や幸せとは何なのだろうか?
心の衝動に従った青年の悲劇を描いた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1049 / タイトル さ行 /  comments(2)  /  trackbacks(1) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY
- from YAN -

ヤンさん、こんにちは!
この映画の中には訴訟などの事実もあるので、
登場人物が本物の姿か虚構の姿なのか、
混同してしまうような危険性がありますね(^^;
脚色があるだろう事は想像できますけど。
どうやら製作サイドの方達は、マークの成功や人間性を
誉めたたえる気持ちは無いと言うのも分かる作りでしたね。

何かしらの感性が欠如している事が成功につながったというのは、
独特の面白い世界ですね。
それは幸せな事なんだろうかって考えてしまいます。

フェイスブックと言うのも、メリット、デメリットが
あるにも関わらず、ここまで大きく全世界に広がっているのは、
メリットのほうが大きいと考える人が多いからでしょうか~?

2012.12.21.Fri / 18:08 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

YANさん、こんばんわ。

見ている間は事実に基づいた物語という思い込みで見ていました。
事実とは違うらしい、というのは後で知りました。

メリットとデメリット、、、
使ってみるとメリットってのは直ぐに分るものです。
ですんで、デメリットがあることは忘れてしまうんですよね。
で、大勢の人が使い始める。
でも、ある日、突然にして、デメリットが発生して、
やっぱ危険なものだったんだ、って解る日が来るんですよね。
そんな日が来なければいいとは思いますが、、、、

それじゃ、また。

2012.12.22.Sat / 21:23 / [ EDIT ] / PAGE TOP△

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