2012.12.27.Thu / 21:02 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






人生には経験しなければ解らない事が沢山ある。
とことん追い求めてみなければ受け入れられないことが、、、

どんなに捜しても見つからない答えが人生には存在すること。
どんなに頑張っても取り返しのつかない過去の一瞬が人生には存在すること。
けれど、もう一方で、
世界は想像していたよりは安全な場所であること。
見えないけれど、沢山の暖かな愛情が自分に向けられている事。

父親に導かれるままに多くの経験をした。
そして、答えが無い、という答えを見つけ出した少年。
経験によって世界の大きさと暖かさを知った少年を描いた映画。
そして、父親と母親の愛情が心に染みる映画。





突然の、そして理由無き喪失。
空っぽの棺を埋葬してみても気持ちは整理できない。
むしろ、不満が心にくすぶる。
現実を受け入れたくは無いという、不満の心が、、、
父親の最後の問い掛けに応えることが出来なかったオスカー。
心にくすぶる不満の心は、実は、自分が犯してしまった罪に対する良心の呵責。
だから自分を責める、傷つける。それがとても痛々しい。


ものすごくうるさくて、ありえないほど近い。
その言葉は様々で深い意味を持つものなのかもしれない。
私がこの言葉から一番感じたのは、オスカーにとっての家族や血縁のこと。
オスカーの両親は、それほど、うるさくはない。
けれど、彼らの一挙手一投足、なにげない言葉の一つ一つが、
実はオスカーの心には重要な意味を持ち、そして、大きく響いているのだ。
それが、うるさい、ということなのではないのだろうか?

許しを求めていたオスカー。
父親が残したであろう鍵の意味が分かれば、
心の喪失を埋めることが出来るのかもしれない。
あの時の出来事を告白できれば、心に許しを得るのかもしれない。
けれど、それは母親では難しい。
祖父でさえ、逃げ出してしまった。
ありえないほど近い人とは、同じ人の喪失を同じように悲しんでいる人のこと。
このような人々とは、逝ってしまった人の話は出来ないのだ。
ならば、喪失に対しては、家族は無力なのだろうか、、、、、


様々な人と出会い、様々な経験を経た。
結局、求めていた答えは鍵には無かった。
どんなに捜しても見つからない答えが人生には存在する。
父が、あの日死ななければならなかった理由など、存在しない。
どんなに頑張っても取り返しのつかない過去の一瞬が人生には存在する。
悔やんで、求めて、自らを傷つけ、周りの人を傷つけても、取り返すことは出来ない。
しかし、
世界は想像していたよりは、ずっと安全な場所だった。
祖父に一人取り残されても無事に帰ることができた。
それは自身の未来を切り開くことができる、頼もしい経験。
そして、見えないけれど、沢山の暖かな愛情が自分に向けられている。
自身も辛いのにオスカーの話を聞いてくれた多くの人々。
そして、母親。

父親の遺志を継ぎ、オスカーが納得できるまで経験を積ませようとした母親。
無事に帰ってくることを願いながら、そして、
その経験が彼の人生を明るいものにすることを信じて。
ものすごくうるさくて、ありえないほど近い存在。
家族は無力なのでは決して無いのだろう。


父親と、そして母親に導かれるままに多くの経験をした。
そして、答えが無い、という答えを見つけ出した少年。
天国の父親も、それを祝福したのだろう。
ブランコに隠されたメッセージの意味は、そういうことなのだろう。

経験によって世界の大きさと暖かさを知った少年を描いた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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COMMENT TO THIS ENTRY
- from YAN -

ヤンさん、こんにちは!
世の中には主人公と同じように喪失の悲しみを抱えた人が
大勢いて、その人達もオスカーに温かい愛情を
向けてくれましたね。
両親の深い愛情、特に母親の身守り方が素晴らしくて、
感動しました。
観終わって温かい気持ちになれた作品だったけど、
今年のベスト作品には入れてなかったな・・・(^^;

さて、今年のヤンさんの鑑賞本数は昨年より少なかったですか?
そんな感じがしたけど違ったかしら?
ずっと変わらず丁寧にテーマを分析した内容は、とても参考になります!
最近、感想記事を簡略化して、本数を多く観たいなあって
思うんですが、なかなかそれも出来ず、
ウダウダと書いているだけになってます。

そんなブログにお付き合いいただきまして、ありがとうございました★
良いお年をお迎え下さいね~

2012.12.28.Fri / 17:34 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

YANさん、こんにちは。

YANさんは、おかあさんなので母親の愛情に
共感しやすいのかも知れませんね。
私は男ですが、それでも、この母親の愛情にはジーンと着ました。
それと同時に、父親とマーカス君との日常の交流や
最後のメッセージにも同じくらいジーンと着ました。

失ったものに心が捕らわれれば、悲しみからは容易に抜け出せない。
自身の周りにある愛情、あった愛情に気付けば、
心が軽くなるのかもしれませんが、
それは人に言われても実感できず、
自身で気付かなければ、価値が無いのかもしれません。

私の場合は、感想記事がストーリーを追ったものになりがちで、
ちょっと反省してましたが、それよりも映画を見て楽しむ、
ということのほうが重要かな、と思ってます。
要は、楽しければ何でもあり、ということで、
来年もよろしくお願いします。

2012.12.30.Sun / 12:58 / [ EDIT ] / PAGE TOP△

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