テイク・シェルター  
2013.02.28.Thu / 21:04 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






とても不思議な映画。
個人的には、夫と妻の意識の違いが印象的な映画。


夫が家族に対して行いたい役割。
それは、自身の範疇を超えた災厄から家族を守ること。
もしかしたら、守りたいのは娘だけなのかもしれない。

妻が夫に望む役割。それは普通に暮らすこと。
仕事を持ち、家族を養うこと。

最初はノアが現在に現れたらどうなるのか、
そんなことを描いた映画かと思った。
次に家族愛を描いた映画のようにも見えた。
けど、どちらも個人的にはしっくりこない。
一番印象的なのは、夫と妻の意識の違い。
それは、接している世界、男と女の考え方の違いから
くるものなのかもしれない。

とても不思議な映画。
個人的には、夫と妻の意識の違いが印象的な映画。





平凡で普通、だからこそ幸せで正しい生き方。
カーティスとサマンサはとても幸せな家庭を築いている。
しかし、カーティスの悪夢が彼らの幸せを狂わせてゆく。
カーティスが家族に対して働きたかった役割。
それは人知を超えた災害から家族を守ること。

普通に生活していれば意識しないかもしれない。
けれど、私たちの生活は、いつ、
自身の範疇を超えた災厄に襲われてもおかしくはない状況にある。
それは自然の災害、嵐や洪水、竜巻や地震ばかりではなく、
大不況や株の大暴落、戦争やテロによる破壊活動などもあるだろう。
このような事に対して、個人はあまりにも無力だ。
しかし、なんとしてでも家族だけは守りたい。
男はそんな責任を背負っている。
カーティスは夫の役割を、そう考えていたのだろう。

けれど、カーティスが守りたい者は、
実は娘だけなのではないのだろうか?
カーティスの夢に出てくる、襲う者と襲われる者。
襲われるのは自分と娘。妻は、どちらかといえば襲う側。愛犬もそうだ。
妻は、シェルターの建設に反対したから、襲う側として夢に出てきたのか?
それとも、やはり娘が一番だからなのだろうか?


周りからは、おかしくなってしまったと思われている夫。
けれど、妻であるサマンサは最後まで付き添い、信じている。
まさに良妻賢母と呼ぶべき女性。

けれど、サマンサが信じているのは、カーティスが言っている事ではない。
いつかはカーティスが昔のように、まともな人間に戻ってくれること。
そして、昔のような生活が再び出来ること。
少なくとも、カーティスは正常に戻ろうと努力している。
そんなことを信じている。

嵐が去った朝。
シェルターの扉をカーティスに開けさせようとしたサマンサ。
それは、カーティスが自身の怯えを克服することを信じてのこと。
そして、そうあって欲しいと願ったから。

この夫婦が別れなかったのは、カーティスが、
自身に課せられた家族に対する役割を信じ、
その一方で妻の願望をも、ある程度理解していたからだろう。
だからこそ、最後にはカーティスは鍵を開けたのだろう。



最後にカーティスの悪夢は現実のものとなる。
「ok」と短く呟いたサマンサ。字幕では「分ったわ」。
夫が恐れた物の正体を知っただけではなく、
夫が恐れた対象を見て、それを恐れて、そして、
夫が家族を守りたいという愛情をも実感として理解できたのだろう。

とても不思議な映画。
個人的には、夫と妻の意識の違いが印象的な映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1067 / タイトル た行 /  comments(2)  /  trackbacks(1) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY
- from YAN -

ヤンさん、こんにちは!
私は素直に、妻は忍耐強く夫を身守り、
最後まで付き添った良妻賢母だと思いました。(^^;

観客のほとんどが妻側の目線で、カーティスはおかしくなったんじゃ
ないだろうかと思いますよね。
そしてあそこまで温かく接する事は普通だと難しいとも思うんですよね。
でもあの奥さんは立派でしたよ。
カーティスが娘だけを守りたいとは微塵も感じなかったなあ・・・
それじゃあ、あんまりだ~~(妻目線なので(^▽^;))

2013.03.07.Thu / 17:20 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

YANさん、こんばんわ。

私も、家族愛、特に妻の献身的な愛情を描いた作品かと
思ってました。
けれど、ラストもそうでしたが、夫の悪夢の中で、
妻が夫を傷つけようとするシーンに、とても違和感を感じてしまい、
最後には素直に家族愛って感じられなくなりました。
ちょっと、ひねくれた見方だったかも、、、

それじゃ、また。

2013.03.09.Sat / 18:43 / [ EDIT ] / PAGE TOP△

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