この愛のために撃て  
2013.03.14.Thu / 21:47 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






平凡で何の得技も持たない普通の男が、
妻と未だ生まれぬ子供の為に奔走する。

罠に嵌められ弟を殺された男が、
奇策を用いて復讐に立ち上がる。

目的は違えども敵は同じ相手。
そんな男が協力し卑劣な敵に挑む。

男二人の友情にも似たお互いに対する心情が渋く感じられる映画。


抜群のテンポの良さ。
一切のムダのないストーリー。
そして、面白い!!
片時も目を話すことができないアクション映画。




「おまえは顔が優しくて刑事には見えない」
平凡で特異技能も持たない、
しかし、妻と未だ生まれぬ子供を深く愛する男、サミュエル。
妻と過ごす生活。それは彼の愛情の深さが良く分かるシーン。
しかし、妻は誘拐され、
入院中の指名手配犯を連れ出すよう脅迫されてしまう。
警察に助けを求めれば良かったのかも知れない。
けれど、彼の深い愛情が、彼の判断を誤らせたのだろう。
病院からの脱出は、それなりに緊張感があるものの、
サミュエルが周知している彼の職場であるが故に、
なんとか脱出には成功する。

バス停での、いきなりの発砲。それは、
妻を取り戻すための、なりふり構わないサミュエルの行動。
ここにも彼の愛情の深さが見て取れる。

自分の唯一の味方であった女刑事が撃たれ、
事件の真相が判明した時、
自分が巨大な組織を敵にし、頼れる者がいないと分かった。
それは絶体絶命の危機。しかし、サミュエル達の逆転劇がここから始まる。



強盗を繰り返し指名手配されていた男、サルテ。
人を殺すことも躊躇しないはずの男。

サルテが自分を売った裏切り者を始末しようとした時、
彼の命を助けるよう、お願いをしたサミュエル。
しかし、サルテは彼を殺してしまう。
後に殺された相棒が実の弟であったことを知ったサミュエル。
サルテの目的が単なる裏切り者に対する制裁ではなく、
愛する肉親の復讐であったことを知る。
だからこそ、サミュエルはサルテに協力したのだろう。


サルテにとっては相手の命を奪えば済んだ事。
何も危ない橋を渡りビデオを入手する必要などは無かったはずだ。
けれど、サミュエルの悲痛な叫び、
「なぜ、俺達を巻き込んだ。」
に悪人とはいえ心が動かされたのだろう。
自身の大切な肉親が、たった今殺されてしまったことも無関係ではなかったはずだ。
そして最後の選択。
目の前の男を殺すか、ビデオを持って逃げるのか。
復讐なら迷わず前者だ。しかし、サミュエルのために後者を選んだのだろう。

八年後に完成された復讐劇。
蛇足のようにも感じられるが、しかし、
サルテの復讐心は本物であったことを見せたかったのだろう。
そして八年前は、それでもビデオを選んだことをも見せたかったのだろう。


フランス映画とは思えないほどに、無駄の無いストーリーとアクションの連続。
特に、地下鉄の逃走劇は思わず手に汗を握ってしまうほどに面白い。
しかし、サルテとサミュエルの渋い友情にも似た想いには、
フランス映画をも感じさせる。

妻を取り戻すために、なりふり構わず行動したサミュエル。
深い愛情ゆえに、時として、その行為は愚かにも見える。
例えば、警察に最初に届ければ良かったのでは、など。
しかし、深い愛情ゆえに絶体絶命の危機を乗り越えることも出来たのだろう。
平凡だったはずの男の愚かしくも、がむしゃらな行動力が魅力的な映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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