マネーボール  
2013.05.09.Thu / 18:54 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






改革を成功させるためにしなければならない事。
協力者を見つけること。
権力者や出資者に理解を得ること。
明確な目標を掲げ、それを周知させること。
実行者たちと十分に会話をして、理解してもらうこと。
結果を示すこと。
そして、がむしゃらに最後までやり抜くこと。

既存の価値観に人生を狂わされ、疑問を感じた男。
今までと同じ方法ではダメだと感じ、新しい方法を模索した。
それは既成概念との戦いであり、
潤沢な資金を持つ者たちとの戦いでもあろう。

そんな男の奮戦が印象的な映画。




二つの挫折を抱える男、ビリー・ビーン。
一つは選手として、もう一つはGMとして。

スカウトからは太鼓判を押され契約金も巨額なものだった。
しかし、選手としては大成しなかった、ビリー。
デビュー当事にチャンスをつかみ結果を残す。
残した結果が実績となり、実績が経験となって、
最後には、その選手の実力となる。
けれど、そのサイクルに乗り遅れた場合、
チャンスは減り、結果を残せず引退せざるを得ない。
そんな紙一重の巡り会わせと考えていた。
けれど、本当は違っていたのだ。


GMとして、チームを創り上げ、しかし優勝することが出来なかった。
せっかく育て上げた選手は巨額な契約金で引き抜かれ、
最初からチーム創りを、やり直さなければならない。
これでは、最初からハンデを抱えているようなもの。
けれど、それも違っていたのだろう。


今までと同じ方法、相手と同じ方法ならば、同じ結果が待っている。
しかし、ビリーは見つけ出す、少ない資金を効果的に使用して勝つ方法を。
それは既存の価値観で選手の能力を見極めるのではなく、
勝利という目的のために、選手の価値を別な方法で見極めること。
勘や経験に基づくのではなく、今まで軽視されてきた数値で選手を計ること。
そして、勝つための戦略を変えること。


今までに無い価値観で選手を集め、勝てるチームを作ったはずだった。
けれど、勝てない。
それは、新しいことを始めるのに必要なことが、まだ、成されていなかったから。

7月までに首位と7ゲーム差にする。
そういってオーナーの協力と理解を得る。

有望な選手をあえて放出し退路を断つ。
それは、自らの決意と覚悟をチームに示すことにもなる。

それまでは避けてきた選手たちと会話をして、
自分が何を求めているのかを理解させる。
そして、このチームの勝ち方を浸透させる。

優勝を目指す、それだけの力がチームにはある。
そう宣言することで選手の意識を変える。

結果として20連勝することが出来た。
だから、チームの中でビリーの言うことに反論する者は居なくなったのだろう。

上記全ては新しいことをする為には必須なこと。
多分、何かの書籍、特にビジネス関連の本には記載されていることなのだろう。


この映画は、単に落ちこぼれ集団が裕福な集団に戦いを挑み、勝つという、
ありがちで、とてもオーソドックスな野球物語ではない。
選手として挫折を味わったビリーは首になる辛さを良く知っている。
だから選手との交流を避けてきた。ジンクスもあって試合を見なかった。
けれど、不要な選手ならば切らなければならない。それは自分の信じる改革の為。
その為には選手を駒の如く扱い、トレードを企画する。
そして、どんなに努力した選手、人が良い選手であっても切る。
おちこぼれを抱えていられるほどの余裕は、ない。そして、
改革を、がむしゃらに最後までやり抜かなければ、事は成されない。
だから、ビリーは、それまで避けてきたことを、あえて実施したのだろう。

勝利の場に立会い選手と共に喜ぶ。
敗戦の場に立会い選手と共に悔しがる。
それは、新しいことをするための一体感。
それも必要なことなのだろう。

本当にこの道は正しいのか、俺は何をやっているのか、、、
それは改革者につきものの悩み。
けれど、信じて、とことんやり遂げなければ、結論は分からない。

新しいことを、がむしゃらに実践した男。
その男の挑戦は、まだ、終わってはいない。
そんな男の奮戦が印象的な映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1088 / タイトル ま行 /  comments(2)  /  trackbacks(2) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY
- from YAN -

ヤンさん、こんにちは!

既存の価値観を捨てて、
全く新しい方法に取り組む改革を成功させるのって、
本当に難しい事だと思います。
どこの世界でも同じでしょうけど
特に古い体質が根強く残っている野球界においては。

時には冷淡に時には人間として選手と向き合って、
懸命に目標に向かってがむしゃらに働く男の姿が良かったですね。
でもまだワールドシリーズ優勝できてなくて、
思う様な結果が出せていないのがちょっと切ないですが(^^;
まだ挑戦は続くのでしょうね。
この孤独な戦いをしているブラピは素敵に見えました。

2013.05.15.Wed / 17:36 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

YANさん、こんばんわ。

そうですね、まだ優勝できてないんですね。
試行錯誤と挑戦は、まだまだ続く。

レッドソックスはお金もあって、
さらにビーンの手法を取り入れれば、
勝てるのは当たり前かもしれません。
そんな当たり前なことを拒絶して、
自身の信じる道を歩き続ける男の渋さが素敵でした。

それじゃ、また。

2013.05.16.Thu / 23:11 / [ EDIT ] / PAGE TOP△

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歴史や既存のシステムを打ち破る改革を目指す男の生き様! 情熱的だが悲哀もある。 役者ブラピが、とっても良い★★ 一瞬、イチローも映ります。 2011年度アカデミー賞作品賞
2013.05.15.Wed .No556 / RockingChairで映画鑑賞 / PAGE TOP△
本作は「日頃忙しくて映画なんか観に行く暇なんかないやい」というビジネスマンに観て
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