マリッジリング  
2013.06.06.Thu / 17:46 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






好きな人と一緒にいたい。
それは、今だけの幸せ。
将来の選択肢は限られている。
そして、選択したら悲劇が待っている。
そんな不安定な状態。
だから、留まりたい、いかに不安定であったとしても。
しかし、そんな現状に満足できる人は少ない。

今に満足して未来に目を塞ぐのか。
未来のために今の不幸を、あえて享受するのか。
彼らが選択した、多分最も堅実で幸せになれるであろう選択。

不倫に落ちる前の不安定さ。
不倫に落ちた後の幸せと苦しみ。
そんな感情がとてもリアルに感じられる映画。




恋人にはめったに会えない。
会えても十分には、かまってはもらえない。
そして毎日が同じことの繰り返し。
そんな寂しさを抱えている女性、千波。

仕事に挫折して左遷されてきた、桑村。
優秀な妻には、どこか負い目や引け目を感じている男。
満たされない者同士が惹かれ合い恋に落ちる。
しかし、それは俗に言う不倫。
将来はどうしたいのか、どうすればいいのか、
そんな話は出来るわけがない関係。

好きな人と一緒にいるだけで幸せ。
千波の友人の台詞どおり、最初はそれだけで満足だった。
けれど、得られればもっと欲しくなる。
そして、相手の結婚指輪が、どうしても気になる。


お互いが恋に落ちて、周りの状況がそれを許さなければ、
ますます、その思いは強くなっていく。
だから、不倫を描いた映画の最後は悲劇的なものが多い気がする。
不倫同士が死を選ぶ、逃避する、死別する。
それらの結果は当人達も含めて悲劇的だと感じてきた。


桑村が指輪を外す。
それは二人の関係が新しい局面を迎えたということなのだろう。
千波の為に今の自分は何が出来るのか、何をすべきなのか、分からない。
けれど好きな人が望むならば、指輪を外す。
多分、その延長線上には、悲劇的なことが待っているのだろう。
それが千波には理解できたのだろう。

最後には別れを選択する千波。


屋上で一人ボールで遊ぶ桑村に近づいてゆく千波。
これは、このまま不倫を続けるという暗示なのか?
いや、きっと二人は昔の関係でありながら、新しい関係、
上司と部下に戻っていくことを暗示していたように感じられる。

彼らが選択した、多分最も堅実で幸せになれるであろう選択。
その良心と健気さが最後に光る映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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