惑星ソラリス  
2013.06.20.Thu / 18:05 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






人類の探求の為に
X線を浴びた惑星ソラリス。
それ故に、
ソラリスは人というものを
知りたくなったのだろう。
それはソラリスにとっては単なる実験。
悪意も善意もそこにはない。
しかし自らを直視しなければならなくなってしまった人類。


自らを知るという事は、
自身の罪と恥に向き合う事。
そして、それは大抵の人間が出来ないこと。
自身の罪と恥に耐えられず逃げだし、
自分の全てを受け入れてくれる保護者に逃げ込んだ男。

ソラリスを覗き込み自らを覗き込んだ人々。
その深遠さが神秘的とも恐ろしいとも感じられる映画。

そして、
懸命に自らの精神を守ろうとした。
しかし救いを求めても救われない。
そんな人類の行く末に哀れさを感じてしまう映画。






川の流れにゆれる水草。
一本一本は確かに存在する。
しかし、全体を見ると意志を持った一つの大きな動きのようにも見える。

高速道を走る車の流れ。
個々には当然意志があり行き先は違うはずだ。
しかし、全体を見ると意志を持った一つの大きな動きのようにも見える。

ソラリスの海。
一つ一つの波が存在するものの、
しかし、全体を見ると意志を持った一つの大きな動きのようにも見える。
きっと、ソラリスとはそのような星なのではないのだろうか?
個々の意志を持ち、しかし、全体で大きな意志を持っている。
それは人間と社会においても同様なのだろう。
そのような存在同士が接触をする。
しかし、次元が違う者同士、意志の疎通は図れない。


ソラリスを調査する為に照射されたX線。
そこに悪意も善意も無い。ただ探究心があるだけだ。
同時にソラリスも実験したのだろう。
人間というものを知る為に。


人は現実を直接には見てはいない。
自身の頭の中のフィルターを通してみている。
だから都合の悪いこと、恥ずかしくて直視できないことは、
見えない、もしくは、簡単に忘れてしまう。
そうしなければ人は正常に生きられないから。
それは一種の自己防衛機能なのだろう。

ソラリスが人類を知る為に創られた人々。
しかし、それが同時に人に自分自身を直視させる結果に繋がってゆく。
それを無視し拒絶する者。しかし、それを受け入れる者。
しかし受け入れたが故の悲劇。

忘れることが出来たはずだった過去の罪。
けれど、忘れたとしても存在はしているのだ。
だから、思い出さずにはいられない。
しかも、忘れてしまっていたことにも自覚させられる。
目の前の人に対する愛情が蘇ってくる。そして深くなってゆく。
すると、罪を犯した自分が赦せなくなる。
そして、忘れていた自分が恥ずかしくなる。
さらに、過去は帰っては来ないことを思い知る。
それは帰って来た妻が、実はコピーであることを思い知るから。

果たして人類はそんな自分自身の罪を赦せるのか?
恥を愛せるのだろうか?



苦悩の果てに父親の元に逃げ込む主人公。
もう、そこにしか逃げ場はない。
すべてを受け入れてくれる存在に、、、、
しかし、それはソラリスが創り出した幻影なのだろう。
主人公が強く欲したがこその。


ソラリスを覗き込み自らを覗き込んだ人々。
その深遠さが神秘的とも恐ろしいとも感じられる映画。
そして、
懸命に自らの精神を守ろうとした。
しかし救いを求めても救われない。
そんな人類の行く末に哀れさを感じてしまう映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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