ゴッドファーザー  
2013.06.27.Thu / 18:09 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






イタリアン・マフィアの栄枯盛衰の物語。
しかし、それを下地に様々な物語が展開される。
古き時代のマフィアの哲学。
家族のような組織。
時代の変化と世代交代。
悪に手を染めてゆく青年。
裏切りと制裁、人の持つ善と悪。

美しさの裏に隠された残酷さ。
綺麗事だけでは生き延びることが出来ないマフィアの世界。
それは、すなわち人の持つ救われない性。
そんな性に哀愁を感じる映画。

そして、
登場する男たちの渋さと
哀愁漂う音楽も魅力的な映画。




イタリアン・マフィアのドン、コルレオーネ。
年を取ったとはいえ、眼光鋭く、圧倒的な存在感を持つ男。
相手に彼が求め重要視していることは、友としての絆。
友として相手を助け、友として、いつか助けてもらう。
そして、友ではない相手には冷酷な手段も辞さない。
愛馬の首をベットに忍ばせる。そんな事も躊躇なく行う。
それが彼の生き方であり、哲学。
その哲学により、家族のように強い組織を造ってきたのだろう。
しかし、それが通用しない時代がやってくる。
麻薬のビジネスは諸刃の剣。
儲けは大きいが自らの身を滅ぼす。
しかし、それを拒否したが故にマフィアの抗争が始まる。

麻薬ビジネスを拒否したコルレオーネの目の前で口答えをした長男のソニー。
コルレオーネ一家は一枚岩ではない。
コルレオーネを倒せば、一家を麻薬ビジネスに引き込める。
それは、相手に弱みを見せてしまった、ということ。
だからこそ、ソニーの口答えにコルレオーネは激怒したのだろう。

敵を倒す為に送り込んだ刺客、ルカ。
しかし、あっけなく倒されてしまう。
今までなら上手く行っていたはずなのだ。
しかし、時代は変わり、もはや昔の方法は通じない。


聡明で才気溢れる三男、マイケル。
コルレオーネは、輝かしい未来の可能性を持つマイケルには、
マフィアの道を歩ませたくは無かったのだろう。
しかし、父を愛するが故に人殺しに手を染めてしまったマイケル。
それを複雑な思いで見るコルレオーネ。それは、
息子の成長と巣立ち、しかし、悪に手を染めさせてしまった落胆。


家族を強く愛し、激情に任せて身を滅ぼしてしまったサニー。
家族に対する強い愛情は、多分、父から受け継いだ資質なのだろう。
そして、長としての重要な資質でもある。
しかし、それを利用され暗殺されてしまった。
謀略には疎かったが故に生き延びることは出来なかったのだろう。

コルレオーネも死に、後継者となったマイケルは、
組織を、家族を守る為に謀略を巡らす。
躊躇したならば生き残れない。
敵が仕掛ける前にこちらから仕掛ける。
そうしなければ生き残れない。


洗礼式では神に誓いをたて、
しかし同時に、敵を、妹の夫を殺す。
それを妻には隠すマイケル。
妻が、まだマイケルを信頼していることを上手に利用して、、

マイケルには、まだ妻を、家族を、
そして組織を守ろうという気持ちはあるのだろう。
それらがマイケルには尊いものという意識もあるはずだ。
しかし、組織を守る為に悪に手を染め、
その深みに、はまればはまるほどに家族は離れてゆく。
そして、組織は、ひずんでゆく。マイケルが望まない方向に。
そんな運命を暗示したかのようなラストシーン。
しかし、その道を拒めば生き延びることは出来ない。


美しさの裏に隠された残酷さ。
綺麗事だけでは生き延びることが出来ないマフィアの世界。
それは、すなわち人の持つ救われない性。
そんな性に哀愁を感じる映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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