ゴッドファーザーPART II  
2013.07.04.Thu / 18:16 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






ファミリーを繁栄させた父と息子。
しかし、その結末は、あまりに対照的。

ファミリーに愛され幸せな家族を築くことが出来た父。
ある者は去り、ある者は排除し、孤独となってしまった息子。
その違いはいったい何から生じてしまったのか?
時代の違い。
人としての経験と器の大きさ。
創業者と二代目の立場の違い。
そして、求めた強さの違い。

自らの弱さ故に、自身を捨て、父とは違った強さを求めた男。
そんな男の孤独と悲劇。
人の強さと弱さが印象深い映画。



家族を殺されアメリカに逃げてきたビトー。
父であるビトーが築いた組織を受け継いだマイケル。
外敵に対しては容赦なく対応し、
しかし身内と認める者達には恩を与え結束を強めていったビトー。
同様に外敵に対しては容赦が無いマイケル。
しかし同時にマイケルは身内にも対しても容赦がなかった。

映画のラストでマイケルが回想する幸せだった過去。
兄弟達が食卓を囲み父を迎える。
しかし、映画のラストでは孤独となってしまったマイケル。
果たして、この違いは何によってもたらされたのか?


それは時代の違いからなのかもしれない。
昔の組織は小さくて皆がささやかだが同じ夢を見ていた。
謀略など存在せず、敵と味方が単純に判り、純粋に味方を信じることが出来た。
しかし、組織が大きくなり動くお金も巨額になる。
油断をすれば敵に、はめられる。
身内をも疑い、嘘をつかなければならないマイケル。
だから身内にも厳しくなってしまう。
不安の芽は兄といえども摘んでおく必要があるのだろう。


あるいは人間としての器の大きさかもしれない。
誤解したからとはいえ、裏切りを働いた部下。
裏切ろうとは考えてはいなかったが、結果的には裏切りを働いた兄。
多分、父ならば彼らを許したのではないのだろうか?
兄を殺したのは組織の運営上、必要だったからかもしれないが、
愛した兄の裏切りと嫉妬を許せなかったというマイケルの私情も、
あったように感じられる。


または創業者と二代目の立場の違いなのかもしれない。
失敗を恐れず正しいと信じた道を迷うことなく歩むことができた父。
なぜなら失うものがファミリー以外に、なにもなかったから。
ファミリーのビジネス、利権、巨額の資金、なわばり、多くの部下。
守るべきものが多く、ちょっとした失敗でも身を滅ぼしかねない息子。
そして自身が弱みを見せれば周りの者は自分には従わなくなってしまう。
父親が持っていた実績とカリスマだけは受け継ぐことは出来ない。
だから部下たちにも弱みは見せられない。



しかし、一番印象的に感じたのは、父が持つ強さと息子が求めた強さの違い。
父が持つ強さとは身内を信じることができる強さ。
仲間ならば、恩を与えれば、それに必ず報いてくれる。
それを信じることができる心の強さなのだろう。
そして、父が持つ強さとは仲間を集める力を持つ強さなのだろう。
息子の求めた強さとは、組織を守る為に非情な決断をする強さ。
その強さに皆が尊敬し恐怖し従う。
けれど、息子が求めた強さとは人を遠ざけてしまう強さなのだろう。
逆に言えば、それはマイケルの弱さと言えるのかも知れない。

母親にだけは胸のうちを告白したマイケル。
強さはかえってファミリーを失わせる、と。
しかし、母は答える。ファミリーを失うことはない、と。
けれど、その言葉を今のマイケルは信じきることが出来なかったのだろう。
そして、多分、以前のマイケルであったのならば、この言葉を信じたであろう。

自らの弱さ故に、自身を捨て、父とは違った強さを求めた男。
そんな男の孤独と悲劇。
人の強さと弱さが印象深い映画。


* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1102 / タイトル か行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY

  非公開コメント
TRACKBACK TO THIS ENTRY

ご注意

ブログ内検索

全ての記事を表示する

プロフィール

ヤン

銀河英雄伝説名言録



present by 田中芳樹:徳間書店「銀河英雄伝説」

フリーエリア

FC2カウンター

フリーエリア

ブロとも申請フォーム

フリーエリア

CopyRight 2006 Heaven of the Cinema All rights reserved.