シルビアのいる街で  
2013.07.11.Thu / 18:27 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






昔巡り合った女性を捜し求める男性。
得られなければ、求める気持ちも膨らむ。
出会えなければ、昔の面影の記憶も美化されてゆく。
思い出は甘美なものになってゆき、
だからこそ、得られ難くなってゆく。

最後までシルビアと出会うことが無かった青年。
けれど、過去は過去。
彼がどんなに求めても、得られるはずはないのではないか。
たとえ目の前に当人が現れても、
それは青年にとっては別人。
なぜなら、思い出は思い出、だから。

得ることが出来いものを求めてさ迷う青年。
その感傷が印象的な映画。



フランスの古都、ストラスブール。
その美しいたたずまい。
そこに住む人々の情景。
その情緒溢れる景色は、
計算された構図も相まって、静かで、とても美しい。
その美しさも堪能できる映画。




6年前に巡り合った女性、シルビアを探して、
ストラスブールの街をさ迷う青年。
過去に何があったのか。
青年の職業は何。
なぜ6年前の思い出を今更求めるのか。
その辺りの説明は一切なく、
映画は淡々と青年の後を追う。

カフェで声を掛けても、すれ違う。
確信を持って追いかけた女性は別な人。
バーで知り合って一夜を共にしても満たされない。

ストラスブールに住む女性のすべては、
青年にとってはシルビアに見えるのだろう。
あの思い出を共有した女性に。
けれど、実は既にシルビアという女性は存在しないのではないのだろうか。
過去は過去。思い出は思い出。
当人に巡り合っても、その思い出は蘇らない。
同じ経験をすることは出来はしない。

得られなければ得られないほどに欲求は増し、
求めれば求めるほどに、
青年の記憶の中で、過去の思い出は美しいものになってゆく。
だから、もしかしたら、得られないことは幸せなのかもしれない。
どんなに探しても巡りあえないと判るよりは、
幸せなのかもしれない。

得ることが出来いものを求めてさ迷う青年。
その感傷が印象的な映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1104 / タイトル さ行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY

  非公開コメント
TRACKBACK TO THIS ENTRY

ご注意

ブログ内検索

全ての記事を表示する

プロフィール

ヤン

銀河英雄伝説名言録



present by 田中芳樹:徳間書店「銀河英雄伝説」

フリーエリア

FC2カウンター

フリーエリア

ブロとも申請フォーム

フリーエリア

CopyRight 2006 Heaven of the Cinema All rights reserved.