世界にひとつのプレイブック  
2013.07.18.Thu / 18:40 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




時に人生は残酷に人を傷つける。
しかし、
時に人は優しく人を治してくれる。


悲惨な事件により、人生に挫折した男。
その事実を受け入れられず、
目を背けて生きている。

しかし、多くの人々が彼に手を差し伸べる。
賭けで息子との絆を取り戻そうとした父親。
陰から見守った母親。

多分それは彼女にとっては、人事ではなかったのだろう。
なぜなら、彼女にも受け入れられない悲劇があったから。

人生には見落としてはいけないサインがあるのかもしれない。
受け入れ難い悲劇に眼が曇り見落としてきた。けれど、
最後には彼女からのサインに気付く事が出来たのだろう。

たとえ人生どん底でも助けてくれる人がいさえすれば、
それは結構幸せなことなのかもしれない。

定番的に感じられたストーリー。
心に傷を負った男女のラブコメ。
父との絆を取り戻す家族ドラマ。
しかし、優しい人々の思いやりと愛情が嬉しくなる映画。


アカデミー賞にはあまり興味のない私でも、
もし私が投票権を持っていたら、
間違いなく彼女に票を投じていただろう。
捨て身とも感じられる圧倒的な表現力。
ジェニファー・ローレンスの表現力が光る映画。





妻に裏切られ失意の中に居る男、パット。
よりによって、
二人の幸せの象徴とも言うべき楽曲を浮気の最中に流していたとは、、、、
自身が振るった暴力の為とはいえ精神病院に入院させられた。
仕事も失い、家も失い、家族も失った。
自分は正常なはずなのだ。異常者なんかではない。
まして、人生に挫折したわけでもない。
だから薬も飲まない。入院も不要。
いつでも自分は昔に戻れるはずなのだ。

妻を未だに愛して忘れられない。
しかし、それ以上に自分は正常であり、
だからこそ、すべては元に戻せる。
そんな思いが脅迫観念となってパットの目を曇らせる。
事実に目を背け、叶うはずのない希望を持ち、
無理にでも信じようとする。
絶望的な状況に、そして、遅々として進まない和解に苛立つ。

時に人生は残酷に人を傷つける。
自身の悲劇に目を背けたいが故に、
その事実さえも受け入れられないのだろう。


夫に死なれ自暴自棄の中にいた女、ティファニー。
今は立ち直りつつあるのかもしれない。
しかし、今だに、失うことに恐れを抱いているようにも感じる。

辛さのあまり多くの男性と関係を持ってきた。
多くの男性と関係を持つことで、
自身の正常性を確かめたかったのかもしれない。
しかし、分かり合える男は居なかったのだろう。
だからパットのことが気になる。
パットの今がよくわかる。
だからきっとパットも自分の事を判ってくれるだろう。


ノミ屋を営むパットの父親。
息子と試合を見るのはなにも、息子が幸運を運んでくるからだけではない。
同じ時間を共に過ごして昔をやり直したい。
だからこそ、息子のダンスに賭けたのだろう。
息子を信じる気持ちを伝えたい。そして、息子を鼓舞したい。
今一度、息子に残酷な人生を歩む勇気を与えたい。
そんな思いから賭けを決意したのだろう。


定番とも思えるストーリー展開。
しかし、ここからの展開に若干の違いを感じた。
それは、バットがティファニーの嘘に気づいた事。

それまでは目が曇っていた。
けれど、ティファニーが自分の為についた嘘。
そして、これまでの行動の全ても自分が立ち直る為のもの。
そこに気づくことが出来たバット。

試合も勝ちダンスコンテストにも成功した。
そして、父親が息子の背を押す。
この時の父親の台詞も本当に嬉しく感じられる。
なにも父親が背を押さなくてもバットは気づいていただろう。
けれど、それまでは反発していた父親の忠告にも、
最後の最後に素直になれたのだろう。


少しイカれた男女の恋愛物語。
けれど、誰にだって少しくらいはイカれたところはあるだろう。
そして、人生の悲劇を簡単に受け入れられるほどには、人は強くは無い。
けれど、今を、どん底と感じていても助けてくれる人がいさえすれば、
それは結構幸せなこと。

悲劇に目を塞ぎ殻に閉じこもっていた男。
けれど、多くの人々が彼に手を差し伸べる。
そんな優しい人々の思いやりと愛情が嬉しくなる映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1107 / タイトル さ行 /  comments(2)  /  trackbacks(1) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY
- from YAN -

ヤンさん、こんにちは!
登場人物の心情に沿って、ヤンさんが書かれているので、
うんうんと思い返しながら、心地良く読ませてもらいました!

ダンスコンテストや試合の賭けの展開などは、
結末が読めるほど定番的でも、
全体的に優しさや温かさが感じられると、やっぱり弱いです(^^;

父親のセリフがなくても、パットは気付いてましたね!
あそこは互いに心が通い合うのが見える良いシーンで好きです☆

2013.10.04.Fri / 18:15 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

YANさん、こんばんわ。

結末や展開が定番的でも、とても良い映画でしたね。
そして、家族の愛情や周りの暖かさが、
とても嬉しく感じさせてくれる映画でした。

見終わった直後は、そうでもなかったけれど、
ブラッドリーの受けの演技が上手で、
だからこそ、ジェニファー・ローレンスの演技も光ったんでしょうね。

それじゃ、また。

2013.10.04.Fri / 21:48 / [ EDIT ] / PAGE TOP△

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心に傷を負い精神のバランスを崩した男女の再起物語。 軽やかにハートフルに・・・☆ SILVER LININGS PLAYBOOK 監督:デヴィッド・O・ラッセル 製作:2012年 アメリカ 原作:マシュー・クイック「世界にひとつのプレイブック」 上映時間:122分 出演:*ブラッドリー・クーパー *ジェニファー・ローレンス *ロバート・デ・ニーロ *ジャッキー...
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