猿の惑星  
2013.08.08.Thu / 15:52 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






もし猿が人類を支配したのならば、、、
そんな視点で、
さまざまな風刺が投げかけられる映画。


圧倒的な暴力で一方的に屈服させられる恐怖と理不尽さ。
異文化を受け入れられない性。
そして、人という存在の救いがたき宿命。

あの有名な衝撃のラストもさることながら、
そまざまな風刺が心に重くのしかかる映画。




長い旅の果てに未知の惑星に不時着した宇宙飛行士、テイラー。
しかし、そこは猿が人類を支配する星。

人が動物として扱われ、問答無用に狩られる。
そこには身を守るものなど存在はしない。
人間の社会にある常識と安全は、存在しない。

猿の町を逃げ惑うテイラー。
それを見る猿の目。
それは、まるで人が住む町に猿が迷い込んだ時に見せる眼差し。
査問会に掛けられてしまうテイラー。
しかし、これは茶番だ。結果は予め定まられているのだから。

支配者である猿たちの常識ではテイラーの知能を見極めることは出来ない。
質問も彼らの常識からすれば妥当なものなのかもしれないが、
テイラーには到底答えられる質問ではない。
しかし、彼らの常識に囚われている猿たちには、それが理解できない。
異文化を理解することの難しさ、そして、
その価値を認めさせることの難しさ。
猿たちが野蛮だからではない。常識に囚われれば見えるものも見えない。
そして、テイラーには、それを証明するすべも無い。
問答無用で猿たちの常識により、野蛮のレッテルを貼られてしまうテイラー。
その理不尽さや不条理が恐ろしくなる。

この映画は原作者が戦争中に日本に捕虜になった時の経験が元になっているらしい。
であるならば、日本と西洋という異文化においても、
似たようなことがあったのだろう。
このような例ばかりではないと信じたいが、
軍国主義における日本の教育に囚われてしまった人々には、
西洋人を理解することは困難だったのだろう。



猿たちの歴史以前に存在した人類の高度な文明。
猿たちは言葉を喋る人形を創るはずがない。
なぜなら、彼らの常識では、そんなものは存在しないのだから。
そして創りだす意味も無い。
すなわち人類が以前は高度な文明をもっていたことが証明されたのだ。
しかし、それでは、なぜ人類は滅びてしまったのか?
それは人類が持つ救われない性故なのだろう。

緑豊かな土地を自らの欲望の為に、砂漠にしてまう人類。
同じ人間を快楽や慰めの為に、殺してしまう人類。
そんな性故に、、、


テイラーたちが辿り着いた人類の未来。
それが、とても衝撃的で恐ろしく感じる。
どんでん返しのオチだからというだけではない。
普段は意識しないことを意識し認めざるをえないからだ。

私たちは私たちが救われない性を持つことを良く知っている。
それでも、それを改めようともしないことも知っている。
そして、このままでは未来が無いことも十分に理解している。
私たちが改めようとしないのは、滅亡に対する実感が沸かないから。
このまま、未来が今と同じように続くと安穏と感じているから。
しかし、それにノーを突きつける衝撃のラスト。


そまざまな風刺が心に重くのしかかる映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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