ビフォア・ザ・レイン  
2013.08.08.Thu / 17:31 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




雨が降る前に
人にはしなければならないことがある
涙を、悲劇を避ける為に


奇妙に時間軸がずらされている映画。
そこから感じられるのは、
無限に巡る人の争いや憎しみの輪。

この映画の題名は、ビフォア・ザ・レイン。
レインとは、きっと涙のことであり悲しみの事なのだろう。

涙が流される前に、
人にはしなければならないことがある。
涙を避ける為に。
悲劇を避ける為に。

不思議な感覚を感じさせてくれる映画。




この映画では奇妙に時間軸がずらされている。
そこから感じられるのは、連鎖でありループ。
無限に繋がる人の争いや憎しみの輪。

多分、時間軸に沿って物語を進めることも、
可能ではあったのだろう。
しかし、それではただの悲劇を描いた映画で、
終わってしまっただろう。
叔父を頼ってロンドンに渡ろうとした若き僧侶。
多分、叔父とは写真家であったアレックスのことだろう。
アレックスの恋人であるアンにマケドニアから電話をかけてきたのは、
きっと、この僧侶なのだろう。
けれど、もう一方でアレックスと若き僧侶が同一人物ではないか、
という不思議な感覚に捕らわれる。
少女を失い、絶望した僧侶がロンドンに渡って写真家になり、
また、故郷に戻ってくる。そして少女を助けようとする。
そんな不思議な錯覚に捕らわれる。


若き僧侶の悲しみと少女の死をフィルムに収めたのは、
アン自身なのだろう。
そして、一話目の葬式はアレックスの葬式なのだろう。
なぜなら、その葬式を嘆き悲しんだ女性がアンのように見えたから。
しかし、死んだはずのアレックスが、少女の死を写真に撮影し、
アンに届けたような錯覚に捕らわれる。
悲劇を繰り返してはならない、という願いとともに。

それらからだけではないが、この映画からは、
無限に繋がる負の連鎖を感じてしまう。


無限に繋がる負の連鎖。
ならば、どのようにすれば、それを断ち切ることが出来るのか?
涙が流される前に、何をしなければならないのか?


傍観することで人を殺すことに加担したと自分を責めるアレックス。
だから身を挺して少女を助ける。
けれど、それだけでは足りなかったのだろう。

傍観するのではなく失われそうな命を助けること。
憎しみを乗り越えて相手を赦すこと。
雨が降る前に、涙が流される前に、悲劇を避ける為に、
負の連鎖を断ち切る行動を、
人はしなければならないのだろう。



* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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