天使の分け前  
2013.09.12.Thu / 15:23 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






どん底の人生に居て、
未来になにも希望を見出せなかった青年。
けれど生まれてきた子供の為に、
自身と家族の未来を切り開かなければ、、、
そんな青年が採った一発逆転の秘策。
そして訪れる幸せなラストに、
爽やかさを感じさせてくれる映画。

登場する数々のウィスキー、その奥深さ。
香り、味わい、色合い。
ウィスキーは様々な感覚で味わう事ができる酒。
観終わった後、一杯飲みたくなる映画。

しかし、
更正する為に盗みを働く。
至極のウィスキーに混ぜ物をしてクズにしてしまう。
手段を選んでいては、このどん底からは抜け出せない。
それが言いたいことなのかとも勘ぐってしまう。
その辺りが引っかかる映画。




無軌道に生き、暴力を振るい続けたロビー。
しかし、彼女との出会いと息子の誕生が彼を変えてゆく。
けれど、やり直すには最悪な環境。
それは自身の過去の行いが悪かったからではあろうが、
それでもやり直せるチャンスがまったく無いというのは、あまりに無情。
強制奉仕活動で出会ったハリー。
ハリーが教えてくれたウィスキーの世界。
そして開花するロビーの才能。

自らが傷つけてしまった人を目の前にして、
そして、生まれたばかりの自分の子供を前にして、
更正を誓うロビー。
しかし、劣悪な環境が彼の邪魔をする。

確かにロビーの真剣さや切迫感、行き詰まり感、
怒りを抑えきれないことに対する苦悩は画面を通して
十二分に伝わってはくる。
しかし、ロビーが選択したのは窃盗。
この展開には、戸惑ってしまった。


ケン・ローチ監督の過去の作品の終わり方や、
素人集団の窃盗という条件も相まって、
ウィスキーを盗むシーンには緊迫感を感じる。
企みが成功した後でさえ、なにか失敗してしまうのではないか、
という不安がぬぐえなかった。

最後に手に入れた金額は人生をやり直すきっかけには十分ではあるが、
多すぎるというわけでもない。
そしてラストの新しい出発とハリーに対する感謝の想い。
この辺りが上手に効いていて爽やかさを感じるラスト。


けれど、やはり窃盗という手段には違和感を覚える。
窃盗でもしなければ、やり直せないほどの劣悪な環境、
ということをいいたかったのか?

開花したロビーの才能により、ウィスキーの利き酒コンテストに出場。
そこで優勝、もしくは醸造所の経営者などに才能を見出されて、
やり直すきっかけを掴む。そんな展開では駄目だったのか?

もしくはウィスキーを落札したのは、
ロビーを目の敵にしていた連中のボス等であるならば、
少しはすっきりしたかもしれない。


窃盗の過程で、せっかく長い時間を掛けて醸造されたウィスキーに、
混ぜ物を入れて、ロビーが言う所のクズにしてしまった。
これも醸造した職人たちの想いを踏みにじる行為に感じてしまい、
すっきりとは感じられなかった。


いつもとは違う、ケン・ローチ監督の描くラスト。
原作ありの映画であるからなのかもしれないが、
もしかしたら、何かしらの心境の変化があったのかもしれない。
けれど、相変わらずの人生のどん底にいる人々への優しい眼差しをも感じる。
この辺りは、相変わらずに上手い。


人生のどん底にいた青年。
新しい様々な出会いによって更正を誓い、それを果たすことができた。
一発逆転の人生に爽やかさを感じさせてくれる映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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