ハンガー・ゲーム  
2013.09.26.Thu / 16:13 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






24人の男女が生き残りを賭けて殺し合いをする。
鑑賞前は、バイオレンス映画かと予想していた。
しかし、見終わった後の印象は微妙に異なる。

政府が人々を支配する為に与える娯楽、
そして偽りの希望。
それにはヒロインを作り出すことが必要だ。
そんな条件にピッタリだった少女が
政府によってヒロインに仕立てられる。
少女もそれを知りながらも
生き延びる為に利用していく。

最後に少女が取った二人で生き延びる為の選択。
それは、支配に対するノーの回答なのだろう。

支配層が使う政略の嫌らしさと、
生き延びようとする少女の意志の強さが印象的な映画。




近未来の独裁国家パネム。
支配する裕福層が暮らす都市と
かつて国に反旗を翻し、反乱の失敗により、
今は貧困にあえぐ12の地区。
自らの権力を誇示する為に、12の地区に生贄を要求する支配者たち。
けれど、それをそのまま殺してしまえば憎しみは支配者に向く。
だから、一人は生き残れるとする。
そして、お互いを殺しあうようにすれば、
憎しみは殺した相手に向かうはず。
さらに、支配者たちの娯楽でもある以上、
生き残る最後の一人は皆が納得できる者で無ければならない。
卑怯者や姑息な手段をとる者ではダメなのだろう。

妹の身代わりとしてゲームに志願したカットニス。
炎をまとった派手な登場の仕方とも相まって、
勝者としての条件を多く持つ少女。


ゲームが開始された当初は争いを避けていたカットニス。
しかし作為的に戦いを強制させられる。
娯楽として、それが必要だから。

カットニス自身もゲームの仕組みを十分に理解している。
自分たちが視聴者に見られていることも理解している。


絶対絶命を他地区の少女に助けられ、しかし死なせてしまった。
哀悼のサインを出したのは見られていることを理解しているから。
そして敵同士のはずなのに、お互いを理解し協力し、
その死を悲しむことができることを知った時、
今更ながらではあるが、憎むべきは支配者であることを、
11区の人々は思い知ったのだろう。


暴動が起こり、それを沈静化させるためルールが変わり、
二人ならば生き延びるチャンスがぐっと増えた。
その直後に巡り会えたカットニスとピータ。
これも支配者の意図通りなのだろう。

ゲーム開始前は、それほど親密ではなかった二人。
けれど、今の二人は、まるで恋人の様。
二人で還れる可能性があることがわかったから。
お互いに殺しあう必要が無いことが分ったから。
危機的な状態が二人の結束を強くしたから、、、
見ている間は漠然と、そう考えていた。
けれど、支配者のシナリオに乗った方が、
生き延びる可能性が高いから。
そして、”ちゃんとキスしろ”の忠告通りキスをするカットニス。
この忠告も生き延びる可能性を高める為なのだろう。


獣に追われて最後の舞台に立つ三人。
しかし、最後の敵が叫ぶ、これは仕組まれていた、と。
つまり、自分は死ぬべき敵役を演じさせられてきた。
それが分ったのだろう。


ピータがカットニスの為に命を投げ出し、
カットニスが悲劇のヒロインになる。
支配者のシナリオでは、美しい純愛で幕を閉じるはずだった。
しかし、それを見抜いたカットニス。
二人で死ねば批判は支配者へ。
だから二人で死のうとすれば支配者は必ず止めるはず。
そして、命を賭けての賭けに勝ったカットニス。

最後に二人が交す会話。
僕たちの関係は?
忘れた方がいいわ。
生き残りが決まりさえすれば、
カットニスにとっては、忘れたい過去なのだろう。


支配層が使う政略の嫌らしさと、
生き延びようとする少女の意志の強さが印象的な映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1127 / タイトル は行 /  comments(2)  /  trackbacks(1) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY
- from YAN -

ヤンさん、こんにちは!
私もバイオレンス映画だと予想してましたが、
少女の反骨精神を描いたドラマになっていて、
それが、なかなか良かったと思いました。

強い意志で生き延びて、
嫌らしい政略を使う支配者に抗う少女、
そのキャラにジェニファー・ローレンスがすごく合ってましたね!
観ている間、ずっと応援してました。(^▽^;)

2013.09.27.Fri / 17:54 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

YANさん、こんばんわ。、

バイオレンス映画って、あまり好きじゃないので、
敬遠してましたが、ジェニファー・ローレンスが出てたので、
見てみました。

嫌らしい政略で番組を作製する支配者に、
それを見抜いて抗う主人公。
けれど、あのピータに対する気持ちやキスも、
視聴者に受けることを承知で演じてたんですね。
なかなかにしたたかです。


それじゃ、また。

2013.09.30.Mon / 22:41 / [ EDIT ] / PAGE TOP△

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オスカー女優となったジェニファー・ローレンスのヒット作。 厳しい状況を受け止め もがき苦しみながらも 体制に媚びない反骨精神が魅力的で応援したくなる! THE HUNGER GAMES 監督:ゲイリー・ロス 製作:2012年 アメリカ 原作:スーザン・コリンズ「ハンガー・ゲーム」 上映時間:143分 出演:*ジェニファー・ローレンス *ジョシュ・ハッチャーソン ...
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