パパの木  
2013.10.10.Thu / 22:01 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






亡くなってしまった人との距離の取り方は難しい。

忘れたくは無いが何時までも悲しんでもいられない。
けれど、忘れてしまうことは寂しすぎる。

死んでしまった最愛の父親。
父親の魂が木に宿ったと信じた家族。
しかし、その木は徐々に大きくなり、
家族の住む家を壊し始める。
それでも木を切ることができない家族。

嵐の夜に倒れてしまった木。
それは家族にとって良かった事なのか、悪かった事なのか。
それでも家族は生きてゆかなければならない。
最愛の人を忘れずに、しかし、囚われることはなく、前を向いて。
そんな家族の心の変化が印象深い映画。




最愛の夫を亡くしてしまった、ドーン。
それまでの生活において、
かなりの部分を夫に頼って生きてきたのだろう。
夫の死から立ち直れないでいる。

亡くなった父親の声が木から聞こえる。
娘のシモーンは、亡くなった父親の魂が木に宿ったと感じていた。
それが本当のことなのか、幻なのか、、、
しかし、それを信るドーン。
新しい仕事を見つけ、ようやく立ち直りつつあるドーン。
そして、新しい恋人とともに、幸せな人生が開けていく。
しかし、それを快く思わないシモーン。

父親を強く想い、囚われれば、今の状況からは抜け出せない。
けれど、父親を忘れることなどできはしない。
代わりなどいるはずもない。

木を切り倒し、新しい未来を生きるのか。
木を守り、しかし、過去に囚われて生きるのか?
木が徐々に住居を圧迫するのは、あたかも、
過去に囚われて生きることに未来はないことを象徴しているように見える。


恋人が木を切り倒そうとした時、しかし、木を守ることを選んだドーン。
それは、まだ、彼女が新しい道に踏み出す準備ができていなかったから。
そして、まだ、家族も同様だったから。
それをドーンが理解したから。

しかし、このまま過去に囚われてばかりもいられない。
嵐で倒れてしまった木。
それは家族にとって良かった事なのか、悪かった事なのか。
それでも家族は生きてゆかなければならない。


ドーンの次男は、男の子ゆえに寂しさを隠している。
けれど、彼もまた、子供なのだ。
ドーンやシモーンには内緒で木を守るために水を掛けたり、
木が切り倒されるのを邪魔したりと、なかなかに健気。


嵐で崩壊してしまった家を後にし、新しい世界への旅立った家族。
木が嵐で倒れてしまったことで、踏ん切りがついたから。
一年という歳月が家族を強くしたから。
木が倒れても父親はいつも自分たちと共に居る事を感じることができるようになったから。

家族は生きてゆかなければならない。たとえ、父親を亡くしても。
最愛の人を忘れずに、しかし、囚われることはなく、前を向いて。
そんな家族の心の変化が印象深い映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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