明りを灯す人  
2013.10.17.Thu / 22:12 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






純朴に暮らす村の人々。
美しい自然の元、彼らは、
人と人とのふれあいを大切に暮らしている。
けれど、この村にも過疎の問題がやってくる。

開発を実施して村の繁栄を図るのか?
このままの村を大切にして、生きるのか?
難しい問題のようでいて、この映画の場合は実は単純だ。
なぜなら、村の開発は一部の利権者のためだけだからだ。
決して村を幸せにはしないのだろう。

映画の前半は、ファンタジー映画と思えるほどの美しさ。
けれど後半、それは一転して暗い展開に変わってしまう。

自然とともに、隣人とともに、
幸せに暮らしたいと願っていた男。
その純粋な願いが無残にも踏みにじられてしまう。
それが哀れで、とても無残に感じられる映画。


映画の原題は、THE LIGHT THIEF。
訳せば、明かり泥棒、であろうか。
それは映画の冒頭で男が貧しい人々の為に、
電気を盗んでいたことを意味しているようにも思える。
だが、映画を見終わると違う考えも浮かんでくる。
本当は、村の明かりを盗んでいるのは誰なのか?
そんな盗人に静かな怒りを湛えるようにも感じられた映画。






村人から、明り屋さん、と呼ばれ親しまれている男。
明り屋さんは、貧しい人々の為に電力を無料で提供し、
隣人との触れ合いや家族を大切にする、純朴な男。

明り屋さんの夢は風車で村の電力をまかなう事。
それは金儲けなど関係がない、皆の幸せを願った夢。
しかし、その純粋さ故に無防備にも村の開発の利権に巻き込まれてしまう。
村を狙う男、ベクザット。
村の繁栄を純粋に願っているように見えて、
しかし、開発による利益を得ようとしている男なのだろう。
ベクザットに対抗できるのは、年老いた村長のみ。
しかし、村長との話し合いに集まってきたのは年寄りばかり。
多分、若者は皆、都会に行ってしまったからなのだろう。


村長が死に、
誰もベクザットを止める事ができなくなってしまった。
始まってしまう村の開発。
中国の投資家を接待する為に犠牲になったのは、
村に住む心根の優しい老婆の孫娘。
これに反抗したために殺されてしまう、明り屋さん。

映画の前半がとても純朴でとても美しいが故に、このラストは、とても衝撃的だ。
多分、計算されてのことなのだろう。
こういう表現は、やりすぎると、あざとくなってしまう。
しかし、この映画ではあざとく感じられない、
ギリギリのところで抑えているように感じられる。


ラストに空しく回る風車。
それは、まるで死んでいった主を慰めるかのように感じられた。

自然とともに、隣人とともに、
幸せに暮らしたいと願っていた男。
その純粋な願いが無残にも踏みにじられてしまう。
それが哀れで、とても無残に感じられる映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1133 / タイトル あ行 /  comments(8)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY
- from kyuu -

BSで放送されたのを先ほど録画で見た者です。

ラストがよく分からず、こちらで記事を拝見して理解しました。
やはり殺されたのですね。
命まで取らなくてもいいのに、悲しい最後でした。

家事をしながら見ていたので、登場人物がイマイチ把握できていなくて、もう一度しっかり鑑賞したいです。

2013.11.24.Sun / 23:52 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

kyuu さん、こんばんわ。

BSで放映されていたんですね。
こんな映画でも放映されるとは思ってもいませんでした。
私は、宅配レンタルで何とか見ることが出来ました。

このラストに対する記載は、あくまで私の感想で、
もしかしたら違うかもしれませんが、
私には殺されてしまったように感じました。
映画の冒頭のファンタジーのような雰囲気から
とても唐突でビックリするようなラストでした。

それじゃ、また。

2013.11.26.Tue / 22:01 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from kyuu -

返信?ありがとうございます。

最後だけ見直しましたが、
悪者に川に放り投げられた時に動きがなかったし、
やはり生きているようには見えませんでした。

ただそのあと、顔は出ないけど自転車をこぐ人が映り、
ブログによっては、主人公だと書かれているのも
あったんですよね。

難しいですが、
現実でも納得できないことはありますし、
いい人だけど殺されてしまったという、
気の毒なお話だったのかなと思います。
後味が悪いですけど。



2013.11.27.Wed / 00:54 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

kyuu さん、こんばんわ。


> ただそのあと、顔は出ないけど自転車をこぐ人が映り、
> ブログによっては、主人公だと書かれているのも
> あったんですよね。

そんなシーンがあったんですね。
ちょっと記憶がありませんが、、、、
川に落とされたけれど、助かったということなのでしょうか?

> 難しいですが、
> 現実でも納得できないことはありますし、
> いい人だけど殺されてしまったという、
> 気の毒なお話だったのかなと思います。
> 後味が悪いですけど。

とてもショッキングな終わり方でした。
過疎と開発、利権の問題と、生々しい問題の中で、
心優しい人たちが犠牲になるというのは、
ありがちなのかもしれませんが、
とても後味が悪いラストでした。
大切なことを忘れてはいけない、
ということなのかもしれません。

それじゃ、また。

2013.11.28.Thu / 23:18 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from kyuu -

ヤンさん、こんばんは。

はい、顔から下だけですが、自転車に乗る人が映って終わりでした。
初めから見直してないので、自転車がヤンさんのものかどうかは分かりません。
このシーンで、少しでも爽やかな終わり方にしようとしているのかな?
と思いました。


2013.11.29.Fri / 21:23 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

kyuu さん、こんばんわ。

レス遅くなりすいません。

そうでしたか、そんなシーンがあるとは記憶していませんでした。
情報、ありがとうございます。
私の記憶では、主が居なくなってしまった風車が虚しく回る、
って感じでしたので、いっそう物悲しさを感じました、、、
もし、そのようなシーンをしっかり確認できれば、
もしかしたら、ラストの印象は変わっていたかもしれませんね。

それじゃ、また。

2013.12.04.Wed / 18:30 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from kyuu -

ヤンさん、こんにちは。

今、書き間違いに気づきました。
11月29日投稿文ですけど、「灯り屋さんの自転車」です。
大変失礼しましたe-466

2013.12.05.Thu / 10:46 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

kyuu さん、こんばんわ。

レス遅くなりすいません。
(ただいま、ネットに自由にアクセスできない所に居まして、、
 ブログの更新はみんな予約投稿です。)

上記、気になさらないでください。
私も Kyuu さんに指摘されるまで気づきませんでした。

それじゃ、また。

2013.12.10.Tue / 01:07 / [ EDIT ] / PAGE TOP△

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