2013.10.31.Thu / 14:26
「ネタバレ」あり。ご注意願います。
相手の話を一切聞かず、
自分の言いたい事を声高に主張する大人たち。
罵りあい、罵声を浴びせあい、
相手をまったく理解しようともしない。
大人たちがついた沢山の嘘。
それは愛する者たちのために。
だが、それは自身の為なのかもしれない。
愛する者の為にと自分の良心すら欺いて、、、
愛する者たちのために自分は何をしなければならなかったのか。
しかし、それすら考えもせず、
自分の思いだけを主張し続けた大人たち。
結果、皆が傷ついてしまった、、
最後に少女が見せた涙。
それは相容れようとしなかった大人たちがもたらした悲しい結末。
果たして少女は、どちらを選択するのだろうか?
大人の都合で翻弄され傷ついた少女。
その残酷さに悲しくも憤りを感じてしまう映画。
娘の教育の為、海外移住を希望するシミン。
父親の介護の為、国内に残ろうとするナデル。
二人の主張は平行線のまま、別居という事態になってしまう。
もう少し相手の話に耳を傾け、打開策を考え、
妥協点を見つければ、別居にはならなかったのかもしれない。
しかし、そうはしなかった二人。
そのことにより、一番悲しんだのは、
大切にしたいと主張していた娘、テルメーであり、
シミンの名を呼び続けた祖父であったというのは、
とても皮肉な展開だ。
雇った介護人、ラジエーを怒りのあまり押し出してしまったナデル。
なぜラジエーは家を留守にしたのか。
無くなったお金はどうなったのか。
父親が死にかけたから無理もないのかもしれないが、
一切の釈明を聞かずに、相手の罪を断定し、追い返してしまった。
それによって起こってしまった流産という悲劇。
この映画で描かれるイランの裁判の様子は、とても奇妙だ。
当事者同士が言い争い、真実を求めようとする冷静さも秩序もなにもない。
なにか、悪い冗談を見せられているような印象を持ってしまう、不思議な光景。
徐々に明かされていく真相。
ラジエーが妊婦であったことを知っていたナデル。
流産の原因が他にあるかもしれないと思っていたラジエー。
最後の和解の席において、
コーランに自身の正しさを誓えなかったラジエー。
信心深いというよりも、今更感がぬぐえない。
彼女の宗教感では、コーランに誓いさえしなければ、
嘘をついても良いのだろうか?
目の前に困っている祖父が居ても宗教が許さなければ、
助けることが出来ないのか?
彼女の信仰心と、宗教を信じるということの本質との間に、
なにかずれがあるように思えてならない。
最後には、ナデルとシミンは離婚をしてしまったのだろう。
だから、テルメーはどちらかを選択しなければならない。
こうならないために、テルメーは懸命に努力し、
両親にお互いに対して謝るように説得し続けてきた。
しかし、それらはすべて裏切られてしまった。
果たして、テルメーは、どちらを選択するのだろうか?
それは、この映画では明示的には示されていない。
けれど、どちらも選ばず、自立の道を選ぶのではないのだろうか?
口先だけで娘の為、と言いながらも、
実際には自身の為に、彼らは離婚してしまった。
だから、この人たちとは暮らせない、
そう考えても不思議ではない。
けれど、それはテルメーにとっては悲しくて、苦しい決断。
それでも、それが正しい道と考えたのではないのだろうか?
大人の都合で翻弄され傷ついた少女。
その残酷さに悲しくも憤りを感じてしまう映画。
なぜラジエーは家を留守にしたのか。
無くなったお金はどうなったのか。
父親が死にかけたから無理もないのかもしれないが、
一切の釈明を聞かずに、相手の罪を断定し、追い返してしまった。
それによって起こってしまった流産という悲劇。
この映画で描かれるイランの裁判の様子は、とても奇妙だ。
当事者同士が言い争い、真実を求めようとする冷静さも秩序もなにもない。
なにか、悪い冗談を見せられているような印象を持ってしまう、不思議な光景。
徐々に明かされていく真相。
ラジエーが妊婦であったことを知っていたナデル。
流産の原因が他にあるかもしれないと思っていたラジエー。
最後の和解の席において、
コーランに自身の正しさを誓えなかったラジエー。
信心深いというよりも、今更感がぬぐえない。
彼女の宗教感では、コーランに誓いさえしなければ、
嘘をついても良いのだろうか?
目の前に困っている祖父が居ても宗教が許さなければ、
助けることが出来ないのか?
彼女の信仰心と、宗教を信じるということの本質との間に、
なにかずれがあるように思えてならない。
最後には、ナデルとシミンは離婚をしてしまったのだろう。
だから、テルメーはどちらかを選択しなければならない。
こうならないために、テルメーは懸命に努力し、
両親にお互いに対して謝るように説得し続けてきた。
しかし、それらはすべて裏切られてしまった。
果たして、テルメーは、どちらを選択するのだろうか?
それは、この映画では明示的には示されていない。
けれど、どちらも選ばず、自立の道を選ぶのではないのだろうか?
口先だけで娘の為、と言いながらも、
実際には自身の為に、彼らは離婚してしまった。
だから、この人たちとは暮らせない、
そう考えても不思議ではない。
けれど、それはテルメーにとっては悲しくて、苦しい決断。
それでも、それが正しい道と考えたのではないのだろうか?
大人の都合で翻弄され傷ついた少女。
その残酷さに悲しくも憤りを感じてしまう映画。