ルビー・スパークス  
2013.11.14.Thu / 19:53 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






自分自身が創造した女性。
それは理想的な彼女、となるはずだった。
しかし、現実は上手くはいかない。

いくら自分が創造したからといっても、彼女も人間。
次第に気付いていく。
自分には彼女を引き止めるだけの魅力がないことを。
世界には他にも魅力的なことが沢山あることを。


自分自身の都合の良いように彼女を創り変えた。
けれど、それは上手くはいかない。
思い通りに操られてしまう彼女が不憫に感じたから。
そして、彼女という人間が好きになったから。

自分の事しか考えてこなかった青年。
しかし、最後には相手のことを考え、
大切な人を手放すことを決める。
それは他人と共に暮らした経験がもたらした、
彼の成長の証なのかもしれない。
そんな成長が切なくも嬉しく感じる映画。




若くして才能を認められた作家、カルヴィン。
しかし、彼の私生活はとても寂しい。

交流があるのは実の兄だけ。
恋愛経験も少なく、友人と呼べる存在も居ない。
父親に死なれた。
彼女には振られた。
それらが直接的な原因なのかどうかは、分からない。
けれど、それらが少なからずカルヴィンに影響を与え、
生活が寂しいものになってしまっているようにも感じられる。
そして、彼が現在、スランプに陥っていることにも無関係ではないはずだ。

夢に現れた理想の女性を題材にして小説を書き始めたカルヴィン。
その理想の女性、ルビーがなぜだか現実の世界に現れる。
最初は戸惑いながらも理想の女性を手に入れたことを喜び始めるカルヴィン。
それは男にとっては奇跡的なこと。
なぜなら、どんなに好きな相手であっても現実であれば、自分の思い通りにはならない。
けれど、目の前の女性は自分の思い通りに創造することができるから。

母親の新しい再婚相手。
それが、気に入らないカルヴィン。
死んでしまった父親が忘れられないからなのだろう。
そして、死んでしまった父親を忘れたかのごとく振舞う母親が気に入らなかったからだろう。
しかし、それをつまらない事だと感じ始めるルビー。

最初は楽しかった二人だけの生活。
しかし、次第に退屈なものとなっていく。
人との交流が無い、休みは読書ばかり。
次第に外の世界に興味を持ち始めるルビー。
それは、ルビーの心がカルヴィンから離れていくことを暗示しているのだろう。
そして、カルヴィンは、その気持ちを止めることができないと思っている。
なぜなら、自分には彼女を引き止めておくだけの魅力がないと感じているから。
カルヴィンが、そんな不安と劣等感を心に持っているから。

ルビーを思い通りに書き換え始めるカルヴィン。
しかし、上手くはいかない。
人はロボットではない、その全てを簡単には記述はできない。
書いては書き加え、軌道修正しても、心が離れることを止めることができない。
そして書き加えれば加えるほどに、ルビーは理想から離れていってしまう。
最後には、ルビーはルビーでは無くなってしまったのだろう。

そんなルビーを手放すことを決めたカルヴィン。
思い通りに操られてしまうルビーが不憫に感じたから。
ルビーがルビーで無くなってしまったことが耐えられなかったから。
そして、ルビーという女性を愛しているから。


パーティーで昔の彼女と喧嘩をした、カルヴィン。
この喧嘩では、カルヴィンは自分のことしか考えていないような男に見えた。
けれど、ルビーの為に悲しみを我慢して手放すことを決めた。
それはルビーと共に暮らした経験がもたらしたカルヴィンの成長の証なのかもしれない。
そして始まる、カルヴィンの本当の恋愛。
そんな成長が切なくも嬉しく感じる映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1141 / タイトル ら行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
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