ルート・アイリッシュ  
2013.11.21.Thu / 13:24 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






戦争を生業とする企業。
戦争という非人道的な行為にさえ、
人は貪欲に営利を求めるのだろう。

友の復讐の為に人の道を踏み外してしまった男。
自らの罪深さに絶えられず、自らの命を絶つ。

戦争が企業によって営利目的で行われているという非道を、
糾弾したかった映画かもしれない。
しかし、一番感じるのは人の救われない性。
欲望に目がくらみ、復讐に心が支配され、簡単に人の道を踏み外す。
そして、身を滅ぼす。
けれど、それによる犠牲は彼ら自身だけではない。
常に犠牲となるのは、故なく巻き込まれてしまう弱い者たち。

そんな哀しい人の性が心に重くのしかかる映画。




戦争を行うことで利益を得ている会社。
その会社で働いていた、ファーガス。
ファーガスに誘われた、フランキー。
しかし、ファーガスは戦争の非人間性に耐えられず、戦場を後にし、
フランキーは戦死してしまう。

無二の親友だった。
しかし、それ以上に自分がフランキーを巻き込んでしまい、
相談にも乗ってやれなかった。
その自責の念がファーガスを復讐に駆り立てる。
人を殺しても何も感じない男、ネルソン。
ネルソンにフランキーは殺されてしまった。
そう思い込んだファーガスは戦場で使った方法でネルソンを拷問し、
そして、殺してしまう。

戦場での非人間性に嫌気がさして戦場を後にしたはずだった。
しかし、復讐の為にとった方法は戦場で使った方法。
そして最後には無関係な女性を巻き込んでしまった。
これでは無差別テロとなんら代わりが無い。
人は簡単には変われないということなのだろうか?



理不尽な人殺しを目の辺りにして、ネルソンを糾弾しようとしたフランキー。
しかし、それは、合弁で業務拡大を図っている企業にとっては邪魔な行為。
そのために、世界でもっとも危険な道、ルート・アイリッシュでの任務を、
沢山回されてしまったフランキー。
フランキーは合法な方法で排除されてしまったのだ。
民間人殺害という非道な殺人を糾弾することで、
彼が人の道に戻ろうとした想いも共に葬られてしまったのだろう。

戦争は確かに利害関係によって発生する時がある。
その行為自身が利益を生むこともあり、
それを企業が求めることもよくあることだなのだろう
けれど、戦争を遂行するという行為すらも企業活動に取り込み、
積極的に事業を拡大する。
人の欲深さは、とても恐ろしく、救い難いものなのかもしれない。


戦争が企業によって営利目的で行われているという非道を、
糾弾したかった映画かもしれない。
しかし、一番に感じるのは人の救われない性。
戦争という非人道的な行為にさえ貪欲に利益を求め、
欲望に目がくらみ、邪魔者がいれば合法的に排除した企業。
憎しみに心が支配され、
忌み嫌ったはずの方法で復讐をしてしまったファーガス。

その結果、犠牲となるのは彼らだけではない。
故無く巻き込まれてしまった人々。
抵抗するだけの力を持たない弱き少年たち。
いくらお金を積んでも彼らは救われない。


死を選択したファーガス。
死に逝く彼の心情。それは、
自身がしてしまった行為に対する絶望感なのだろう。
人間らしい感情で行った友の抗議を無駄にして、
戦場で忌み嫌った方法で復讐をしてしまった。
戦争で染まってしまった自身の心。
その心に対する深い絶望感なのだろう。

少年の時に描いた未来。それは、
海外に出て成功を収めた未来。
しかし、今では、それも虚しいものに感じられたのだろう。


哀しい人の性が心に重くのしかかる映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1143 / タイトル ら行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
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