ゲーム  
2013.11.28.Thu / 13:35 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






孤独の中に生きてきた男。
人が羨むほどの財力を持ち、
しかし、それを増やすことにしか興味が無かった男。
それは彼が幼い頃に経験した不幸な出来事が原因なのかしれない。

そんな男が奇妙な体験から、
人生の価値を見直す機会を得る。
それを演出したのは弟の兄に対する愛情。

それは、まるで現代版クリスマスキャロル。
しかし、この映画からは暖かさをあまり感じない。
それは、製作者サイドが、
ラストの大どんでん返しに着目し、
主人公の変化を、最後に得られた主人公の幸せの暖かさを、
あまり表現できてなかったからなのだろう。

ラストの大どんでん返しが楽しめる映画。
多分、公開当時に見たのであれば、それなりに楽しめたのかもしれない。
しかし、昨今ではこのような展開の映画は沢山ある。
だから、感の悪い私でもラストの落ちが見えてしまう。
そこがちょっと残念な映画。




有り余る富を持ち、しかし、幸せそうには見えない男、ニコラス。
妻とは別れ、一人寂しく質素な夕食を取る。
分かれた妻との会話も嫌味に満ちたもの。
父親の友人にすら、利益の為には冷たくあたる。
けれど、何の為にお金を儲けようとしているか、まったく分からない。
とても無味乾燥な生活を送る男。

幼い頃に自殺してしまった、父親。
父親は、家庭においては存在感の無い男のようだった。
だからなのかもしれない。
ニコラスは、人生は虚しく、生きる意味が分からない、と感じていたのだろう。
弟に誘われて始めたゲーム。
しかし身辺には奇妙なことが起こり始める。
全ての財産を失ってしまった。
命すら、奪われそうになった。
父親の形見である時計を売り払い、
唯一の肉親である弟を殺してしまった。
そして、自殺を試みる。

全てを失ったと誤解した。
だから、周りの人間の大切さを悟ることができた。
そして、父親と決別することもできた。

最後に抱き合う兄弟。
弟を演じたショーン・ペンの笑顔がまぶしい。

ゲームで知り合った女性に声を掛けることもできた。
別れた妻や冷たく当たってしまった父親の友人にも、
優しい言葉を掛けることもできた。
ニコライは生まれ変わることができたのだろう。

ラストは完璧なハッピーエンド。
ただ、暖かさはあまり感じられない。
ラストのニコライの嬉しさがあまり感じられないから。
彼が変わったことを喜ぶ人が弟だけだったから。
前半のニコライの苦悩が上手に描かれていなかったから。
大金持ちであるニコライに感情移入がしにくかったから。
いろいろと理由はあるかもしれないが、
製作者サイドはラストの段どんでん返しを巧みに演出することに着目しすぎるあまり、
その辺りはおざなりになってしまったのではないのか、と思われてならない。

ラストの大どんでん返しは、それなりに楽しめたが、
ラストは予想の範囲内であった。
暖かさが感じられないことも相まって、
一回目の鑑賞はそれなりに楽しめても、
二回目からの鑑賞は楽しむことが難しいように思われる。
そこがちょっと残念な映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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