カラスの親指  
2014.01.30.Thu / 18:19 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。

この映画を未見の人は、映画を見てから下記を読んでください。
ネタバレ満載なので。
お願いします。



全ては偶然ではなくて
必然であった


最初は詐欺師の映画かと思った。
確かに詐欺によって、
ヤクザからお金をせしめる映画ではあるが、
それ以上に感じられるのは、
これは父親の愛情や家族の暖かさを描いた映画だということ。

ラストの大どんでん返しには確かに騙された。
その総てを演出したのは、
父親の大きな愛情によるのだろう。

家族の温もり、その居心地の良さを感じさせてくれる映画。




闇金業者に嵌められて総てを失った、タケさん。
今更真面目に働く気にもならず詐欺師を営んでいる男。
そんなタケさんに助けられた、テツさん。
映画の冒頭、描かれるのは鮮やかな二人のお手並み。
定番的とはいえ、なかなか魅せてくれる導入部。

タケさんが闇金に嵌められたとはいえ殺してしまった女性。
その娘たちと偶然にも始まった共同生活。
これで役者がやっと揃った。さてどんな大きな詐欺を働くのだろう、
と期待はしてみるものの、何かおかしい。
揃った面子は殆ど素人。
そして、始まる擬似家族生活。
この辺りは、どうにもテンポが遅く感じてしまうものの、
彼らの生活が、とても楽しく、羨ましくも感じられる。
そして、このスローテンポには意味があったのだろう。

復讐のためにタケさんを狙う闇金。
彼らの息の根を絶つ為に仕掛けた詐欺。
果たして彼らの詐欺は成功するのだろうか?
突如として登場する闇金の親玉、ヒグチ。
鶴見辰吾さんの存在感も相まって、緊張感がいやがおうにも高まる。
けれど、突如として暴発してしまう、貫太郎。
この展開はかなり惜しい。
貫太郎が何かに悩み、何かを企んでいた様には確かに見えた。
しかし、それまでに描かれていた貫太郎の性格から、
タケさんたちを裏切るとはどうしても思えない。
だから、この展開もタケさんの想定どおりであることが、
直ぐに分ってしまう。
他の詐欺の映画の名作にもあるように、
もう少し裏切らなければならない特殊な事情とか、
設定なりを描けば、良かったように感じられる。
そこがちょっと残念。


偶然に知り合った五人。
いろいろミスはあったが成功した詐欺。
そして迎える出来すぎたハッピーエンド。
しかし、その総てを演出したのは父親の愛情。
偶然の様でいて用意周到に演出されたものだったのだ。
このラストの展開には確かに騙された。
ただ、詐欺を描いた映画と捉えれば、この展開は唐突であり、
それまで描かれた詐欺の顛末にもあまり影響を与えない。
けれど、
娘たちに新しい再出発をして欲しい。
苦しんでいるタケさんも救いたい。
そんな心優しい父親の演出と考えれば、
心がほっこりとしてくる。

擬似的とはいえ家族として暮らした五人。
娘が作る手料理を気心が知れた皆で食べる。
その暖かさを、テツさんは味わいたいとも考えたのだろう。
死に逝く思い出として。

家族の温もり、その居心地の良さを感じさせてくれる映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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事前情報をあまり入れないで観賞しました。 詐欺師のお話というのは知っていたという
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