しあわせのパン  
2014.02.13.Thu / 16:08 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




いつの日にか、マーニに行ってみたい


他から恩恵を受け、それを困っている人に分け与える。
それは、とても素敵な生き方だ。

月は太陽に照らされて人々を照らす素敵な存在。
しかし、月自身は、そんなことを意識はしていなかった。
それを気付かせてくれたのはマーニ。

月のように生きたかった女性。
そして、マーニのように誰かに見ていて欲しかった。
支えていて欲しかった。

喫茶店マーニにやって来る様々な想いを抱えた人々。
幸せを求めて、もがいて悩んでいる人々。
そんな人々に大自然から得ている幸せを分け与えたい。

最初はぎこちなかったのかもしれない。
けれど、理想を求めて、自分が思い描いた楽園を作り上げた夫妻。
そんな生き方が羨ましくも嬉しい気持ちにさせてくれる映画。



原田さん演じるりえさんの透明感。
大泉さん演じる水橋さんの懐の深さ。
この二人をキャスティングしただけで、
この映画の雰囲気は完成されたといっても過言ではない。
そんな二人の雰囲気も印象深い映画。




北海道の月浦で喫茶店、マーニを営む夫妻、りえさんに水橋くん。

この映画では東京での暮らしは直接には描かれない。
沢山のつらかったこと。
作り笑いをして過ごさなければならなかった毎日。
そしてマーニを見つけることをあきらめてしまった。
そんなことから、かなり無理をして東京で暮らしていたことが伺われる。
きっと助けたい人が沢山いたのだろう。
けれど助けることもできず、その方法も分からないままに、
日々を過ごしてきたのだろう。
水橋くんに誘われるままに、北海道に引っ越してきたりえさん。
なんだか、その言葉が実はプロポーズであったように思えてならない。


理想とする暮らしは、おぼろげながら見えていたのかもしれない。
けれど、お互いに対する気遣いに、どことなく距離感も感じて、
未だに夫婦にはなりきれてない印象を持つ。
それでも、お互いが何をしたいのかが分かり、
あうんの呼吸で物事に対処しているあたり、
夫婦の絆というものが出来つつあるようにも感じられる。


失恋してマーニにやってきた香織さん。
地元から出ることに臆病な時生くん。

幸せは簡単には見つからない。得られない。
見栄や臆病な気持ちが邪魔するからだ。
けれど最後には、そんなことに踏ん切りをつけることが出来たのだろう。
香織さんは北海道に行ってきたことを友人たちに正直に話すに違いない。
時生くんはきっと、東京で自分の仕事を見つけることが出来るだろう。
一人だったのなら、心を決めることができなかった。
でも、二人ならば、できるのだろう。


母親に去られてしまった親子、未久ちゃんとそのパパ。
二人が再出発をするには現実を受け入れる勇気が必要だった。
母親のパンプキンスープは二度とは味わえない。
それを見つめ認める勇気が、、
一人ならば悶々としてしまっただろう。
でも二人ならば悲しみを共有し、和らげ、新しい出発も出来るのだろう。


人生の終焉を迎える場所を求めてマーニにやってきた老夫妻、阪本さん。
子供にも死なれ、希望もない。
人生の終焉を見つめる日々に心が枯れてしまったのだろう。
けれど、尽きかけた人生においても新しい希望は見つかる。
楽しいことを分け与え、楽しいことを逆に与えられる。
それは仲間と過ごす楽しい日々。
精一杯生きて、精一杯楽しんで天国に召されたのだろう。


一年で夫婦や家族の始まりから終わりまでを見つめた水橋夫妻。
きっと彼らの理想とする生活を見つけ出し、
最後には本当の夫婦になることが出来たのだろう。


この映画は、多くを語らないが故に現実感に乏しく感じてしまうが、
それでも、ありえない、と簡単には否定できないように感じる。


自然の恩恵を沢山受けた、おいしそうな食事。
都会の喧騒から隔離された大自然。
ゆったりとした生活。
この映画も、いわゆる癒し系に分類される映画であって、
似たような映画は沢山ある。
それでも、それぞれの映画には似ているようで異なる味わい深さがある。
この映画も、そんな様に感じる。


幸せになるのは難しい。
悩んで、苦しんで、もがいて、やっと得られるのかもしれない。
けれど、幸せになるのは簡単だ。
一人ではなく、二人であれば。

理想を求めて、自分が思い描いた楽園を作り上げた夫妻。
そんな生き方が羨ましくも嬉しい気持ちにさせてくれる映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1162 / タイトル さ行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY

  非公開コメント
TRACKBACK TO THIS ENTRY

ご注意

ブログ内検索

全ての記事を表示する

プロフィール

ヤン

銀河英雄伝説名言録



present by 田中芳樹:徳間書店「銀河英雄伝説」

フリーエリア

FC2カウンター

フリーエリア

ブロとも申請フォーム

フリーエリア

CopyRight 2006 Heaven of the Cinema All rights reserved.