少女は自転車にのって  
2014.02.27.Thu / 16:26 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






様々に課せられた女性への制約。

自転車に乗りたいと願う少女。
日本では簡単に叶うはずの願いでも、
サウジアラビアでは絶望的な願い。
それでも彼女は諦めない。

それまでは男性に盲目的に従ってきた女性たち。
けれど最後には裏切られてしまった母親。

娘にだけはそんな思いはさせたくは無い。
なぜなら彼女は私の宝だから。
そして大きな未来を持っているから。

自転車を得て、
それと共に努力は報われることを知った少女。
果たして彼女はどこに自転車を走らせていくのだろうか。
それは、きっと、
果てしない希望と大いなる可能性が広がっている未来へと走らせるのだろう。

サウジアラビアにおける女性の制限、
しかし、それに負けない希望が育ちつつある。
そんな輝きが眩しく感じる映画。




自転車が欲しい少女、ワジダ。
幼馴染と競争しても相手は自転車を持っている。
だから到底かなう訳がない。けれど諦めない。
自転車を持って対等に競争できたのならば、、、

ワジダは意識していないかもしれない。
けれど自転車が欲しいという願望の底には、
男性と対応になりたいという自立心がある。
ワジダは、おてんばではあるが、それ故に負けん気が強い少女。
そして、とても、したたか。
小銭を稼ぐための様々な努力。
それが微笑ましくも、危なく見える。
いつ、大人たちにバレてしまうのか。
いつ、友達に嫌われてしまうのか。
それでも小銭をため続けるワジダ。
けれど目標は遥かに遠い。


コーランの暗誦コンテストの賞金。
それを目指して懸命な努力をするワジダ。
コーランを学習することは自らの意識を変えることに繋がるはずだった。
しかし、目的はあくまで賞金。
だからコーランを暗証できるようになっても、
様々な知識を得たとしても、
ワジダは何も変わらない。
これは、とても皮肉に感じられてしまうし、とても可笑しい。


懸命な努力の末に優勝したワジダ。
しかし、努力は報われず、賞金は寄付に回ってしまう。
個人の努力を無にする社会の因習。
それは決して変えることも、逆らうこともできないのだろうか。
とても絶望的な気分にさせられてしまう。


父親に気に入られるように様々な努力をしてきた母親。
父親に盲目的に従い、父親が気に入らないであろうことであれば、決してしない。
楽な生活をするための転職もしない。
ないがしろにされても逆らうことはしない。
けれど、父親に見放されてしまったワジダの母親。

一夫多妻の習慣と男の子を欲しがった一族。
血が繋がっているはずなのに家系図にはワジダは入れてはもらえない。
それは、とても理不尽な因習。


しかし、母親は父親に頼ることを止めたのだろう。
今日から二人きり。
そして、母親は自分の宝に教えたかったに違いない。
努力は報われること。未来に希望は存在すること。
だから無理をして購入した自転車。
光に照らされたからだけではなく、その自転車がとてもまぶしく見える。


自転車を走らせるワジダ。
その先に広がる大きな道。
それは未来に対する希望と可能性の象徴。
その道をワジダはどこまでも走っていくだろう。


サウジアラビアにおける女性の制限、
しかし、それに負けない希望が育ちつつある。
そんな輝きが眩しく感じる映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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