恋の罪  
2014.03.20.Thu / 17:17 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






女の幸せというものを理解していたなかった女性。
自らが求めているものが分らないままに、
さ迷い、求め続ける。

そして、欲していたものは永遠に手に入らないと分っても、
それでも求める行為を止められず、
城の周りをさ迷い歩く。

女にとっての幸せとは?
男はそれを勘違いしているのでは?

女にとっての幸せを描いたように感じられた映画。



社会的地位、財産、豪華な住居。
作家と結婚した、いずみは、絵に描いた幸せを得た女性。
しかし、心は満たされてはいない。

夫は勘違いをしている。
財産や平穏、自由な時間、優雅な生活。
見せかけだけかもしれないが愛情と優しい言葉。
そんなものを与えていれば女性は幸せなのだろうと勘違いしている。
けれど、いずみにとっても何があれば満たされるかは、
この時は、分からなかった。

自由な時間で冒険し、新しい世界を知った。
けれど、いずみは城の中へとはたどり付けてはいない。

裸になって鏡の前で試食してくださいと言う、いずみ。
とても充実していて自信に溢れてはいる。
そして、試食して欲しいのは、自分の体なのだろう。
けれど、危うい。それは、求めているものが見えていないから。
冒険の中でめぐり合った女性、美津子。
美津子ならば、自分を救ってくれるのでは、、、


「愛がなければ金を取らなきゃ」
この言葉を実践する、いずみ。
けれど、いずみは金を取るセックスしかしていない。
しかし、立ち位置が明確になったと喜んでいる。
それはきっと破滅への入り口だったのだろう。
金を取ることで、愛のあるセックスと、
そうでないセックスを意識することができるはずだった。
それは、きっと、求めているものがおのずと分るようになるはずだったのだ。
けれど、そこにまで、いずみの思いは至ってはいない。


「言葉は一つ一つ体を持っている。」
それは、いわゆる下品な世界を経験しなければ、
言葉の本質は分からないということなのだろう。
美津子の母親は、美津子と父親に嫉妬していた。
けれど、表面的には取り繕い、相手を軽蔑して、
下品な世界に踏み出せないでいた。
だから、夫と娘の関係が理解できない。
自分が何を欲していたのかも分からない。

「勇気があれば夫を押し倒していた。」
いずみも、また、夫との関係では下品な世界に踏み出せない。
だから、欲しているものも得られない。


最後には夫の正体を知ってしまった、いずみ。
愛が無くなったからお金を取る。
けれど、美津子に嫉妬する。
夫を愛していただけではない。
自分が欲していたものを美津子に奪われていたから。


誰が殺され、誰が殺したのか?
終盤まで分からない展開で引き付けられはしたが、
オチは釈然としない。
多分、首を切ったのはカオルではあろうが、
何が起こって、カオルが首をつったのかは分からない。


最後に、とことん下品な世界に堕ちていった、いずみ。
とても不幸、けれど、どことなく幸せそうにも見える。
今までは自分は何を求めているかは知らなかった。
けれど、今では分かってしまった。
たとえ、それが二度と手に入らないと分かっていても、
知らないよりは、知ることのほうが幸せなことなのかもしれない。
あなたが流す涙に立ち止まれるのは、
涙の意味を知らないよりは、幸せなことなのかもしれない。


極端な事例を描いているようで、
しかし、極端でない環境のなかでさえ、
墜ちようとしている女性も居る。
極端な例で描いたから、彼女たちの心情も理解もしやすく、
安心して見ていられた。
けれど、この事件は普遍的なことなのだろう。
最後には自分の居場所が分からなくなってしまった、和子。
果たして彼女は下品な世界に堕ちていくのだろうか?

女にとっての幸せを描いたように感じられた映画。

* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1171 / タイトル か行 /  comments(2)  /  trackbacks(1) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY
- from YAN -

ヤンさん、こんにちは!
そうですか、登場人物たちの心情が理解し易くて
安心して見ていられましたか。
私には理解し難かったです(^^;
いずみの最後の姿には哀れこそ感じたけど、
幸せそうには見えませんでしたし・・・

ただ、自分が求めているものが分からずに
さ迷い続けている女性達の姿を描いたものだとは思いました。
描き方が独特でそこは面白かったです。

2014.03.20.Thu / 18:03 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

YANさん、こんばんわ。

確かに、いずみのラストの状況は、とても悲惨に見えましたが、
それでも、最後には彼女の微かな笑いが、
幸せを感じている微笑のように見えました。
今までは自分が求めているものの正体を知らなかったのに、
それが出理解できた幸せ、決して手には入らないとしても、、
そんな風に感じました。

それと、事実をベースにしているとはいえ、あまりに特異すぎて、
自分たちが住んでいる世界にはありえないよ、こんなこと、
などど、見ている間は感じてましたが、
和子の話は、もしかしたら現実でも有り得るかも、
とは感じました。上手くバランスを取ったというか、
特異な世界と現実世界の接点のような位置づけだったのかな、
と思いました。

それじゃ、また。

2014.03.20.Thu / 23:37 / [ EDIT ] / PAGE TOP△

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