あぜ道のダンディ  
2014.04.03.Thu / 21:15 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。







とても不器用で意地っ張り。
恥かしがり屋で見栄っ張り。
口が悪いが寂しがりやな親父。

断絶している親子関係。
余命幾ばくもない命。
安月給でローンも抱えている。
映画の前半で描かれるのは、
彼の現状。それは親父の悲惨さ。

しかし、
息子たちは親父に感謝している。
癌と思っていたら勘違い。
お金の心配も子供たちはしてくれている。
映画の後半は、とても幸せな親父を描いている。

ダンディとは言いがたいと感じてしまうが、
親父の生き様が魅力的に描かれている映画。



妻に先立たれた、宮田。
子供二人と暮らす、中年の哀愁を帯びた男。
自転車での出勤時に自分の走りを自ら実況放送する宮田。
それは、あたかも自らを鼓舞しているようにも感じられる。
家に帰っても孤独。余命幾ばくも無い。
それは、とても悲惨な状況。
それでも、自らを叱咤激励するかのごとく走り続ける。

しかし、自分が不幸だというのは全て宮田の思い込み。
彼は本当は、とても幸せな男。

宮田が映画の中で見た夢。
前半の夢は、とても孤独。
後半の夢は、とても幸福。
彼は本当は、とても幸せな男であることが良くわかる。
少々、演出にわざとらしさを感じもするが、しかし、
そのギャップが微笑ましくも思えるし、居心地の良さをも感じる。

寂しがり屋のくせに、恥かしがり屋で口も悪い。
けれど、不器用ながら愛情を沢山持っている。
昔ならば、そんな親父でも、
家族は尊敬したのかもしれない。
そして、威厳を感じたのかもしれない。
けれど世の中は変わり、親父の見栄も簡単に見破られてしまう時代。
機械オンチで敬遠され、給料の額も判ってしまう。
いくら意地をはっても、その向こうにある親父の情けなさは、
透かして見えてしまう。
それでも宮田は生き方を変えない。変えられない。
そこに哀愁すら感じてしまう。


「男はみんな負ける、結局は負けるんだ」
男ならば負けが決まるその日までは戦い続ける。
きっと、負けが決まる日は、その人の人生が終わる日なのだろう。
その日が来るまでは戦い続ける。彼が思うダンディさを貫く。
最後の直線でのごぼう抜き、一発逆転を夢見ながら、、、

ダンディの定義は人それぞれかもしれないが、
宮田の生き方をダンディとは思えなかった。
けれど、自分が信じるカッコいい生き方を貫く姿は魅力的だ。
たとえ滑稽であったとしても、間抜けに見えようとも。

親父の生き様が魅力的に描かれている映画。


* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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