ルナ・パパ  
2014.04.17.Thu / 21:46 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






とても悲惨な状況で暮らす娘。
そして、彼女を襲う数々の悲劇、苦難。
けれど、この映画からは悲惨さは微塵も感じられない。

時にとぼけていて、時に突き抜けていて、
おちゃめでチャーミング、
可笑しくて、先が読めない驚きの展開、
そして、不思議な感動すら感じてしまう。


驚きのラストもさることながら、
この映画の主役を演じた、チュルパン・ハマートヴァさんの、
くるくると変わる表情。
チュルパン・ハマートヴァさんの魅力溢れる映画。
そして、不思議な躍動感と快活さを感じてしまう映画。





その街がどこの時代のどの場所なのか簡単には判別ができない。
そんな不思議な雰囲気の街で暮らす娘、マムラカット。
母親とは死別してしまった。
兄は戦争による障害で知能障害。
そんな悲惨な状況なのに、とても陽気で明るい少女。
顔すら見れなかった男の子供を宿し、堕胎もできなかった。
父親を探して旅をするも父親は見つからない。
結婚前に子供を宿したとして、村人からは苛められてしまう日々。

やっと見つけた運命の人とも思える青年。
しかし、青年は結婚式の最中に父親とともに死んでしまう。
この展開も、そして、その原因にも呆気にとられてしまう。
そして、最後に判明する、お腹の中の赤ちゃんの父親。
その父親もショックで意識不明となってしまう。

ストーリーだけ追ってみると、とても悲惨な映画。
けれど、悲惨さは微塵も感じられない。
むしろ、驚きの連続。まったく先が読めない展開。
一つ一つの出来事に呆気に取られてしまう映画。
堕胎をお願いした医者の最後。
唐突に父親と意中の青年が死んでしまった、そして、その原因も唐突過ぎる。
お腹の赤ちゃんの父親の意外な末路。
そして、呆気に取られてしまう驚きのラスト。
悲惨というよりは不思議な衝撃に満ち満ちている。


悲惨な状況でも、それに負けないマムラカット。
健気というよりは元気で快活という言葉が似合っている。
ステージに立った時の表情や堕胎の為のベットに反対に横たわる姿などとても可笑しい。
見知らぬ男と結ばれるシーンの妖艶さ。
シュークスピアの劇に涙を流す顔や、
父親に服を買ってもらった時の嬉しそうな表情は、とてもチャーミング。
チュルパン・ハマートヴァさんが魅せる、
くるくると変わる喜怒哀楽の表情がとても魅力的。


戦争による障害で知能が足りない兄、ナスレディン。
覚えられる言葉は少なく、衝動的に行動し、
正常な生活のために薬は不可欠。
けれど、兄は妹の幸せを直感的にではあろうが判っている。
マムラカットが連れてきた意中の青年。
最初は顔を殴った父親。
けれど、ナスレディンは一目見て青年を気に入る。
それは、この青年がマムラカットを幸せにしてくれることが判ったからなのだろう。
そして、最後にマムラカットを村から脱出させる。


最後に判明した、お腹の中の赤ちゃんの父親。
けれど、この男がマムラカットを幸せにしてくれるとは、とても思えない。
そして、ショックで意識を失ってしまった。
しかし、村の人たちは盲目的にも二人を結婚させようとする。
お腹の中の赤ちゃんの本当の父親というだけの理由で。

しかし、それに反抗するナスレディン。
最後に登場する、空飛ぶ天井。
呆気にとられる展開、これは突き抜けすぎている。
そして不思議な感動にすら襲われてしまう。
それが、きっと、新しい出発と、
赤ちゃんがお母さんのお腹の中から出てくるという出産を、
イメージさせてくれるからなのだろう。

村に居たのでは、そして、村の古い因習の中では、
きっとマムラカットは幸せにはなれない。
だから、兄は妹を脱出させたのだ。
古い因習から脱出し、新しい世界に旅立つ二人。
不思議な感動と躍動感、そして快活さを感じてしまう映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1180 / タイトル ら行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
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