2014.06.05.Thu / 13:32 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




生きてさえいれば
人生手遅れなんて事はない
何も持っていなくても
人は何かを愛する者に分け与えることができる


百万ドルを受け取りにリンカーンへ。
誰が止めても諦めない。
誰が諭しても譲らない。
なぜ、父親は、それほどまでに百万ドルに、固執したのか?
戦争の悪しき思い出に苦しんできた。
苦しみを酒で誤魔化してきた。
そんな父親が切望したこと。

賞金に当選したことを知った人々。
賞金を分けろと迫る。
それが、とんでもない勘違いだと分かった時、
人々はあまりに簡単に態度を変える。
それは、とても醜く見えてしまう。

なぜ、父親は懸賞金を熱望したのか。
旅を通じて、父親のことを理解した息子から父親に贈る贈り物。
父親と息子の思いやり、愛情が心に染みる映画。




年老いた父親、ウディ。
求められれば断れない、優しい男。
そして、思い込みが強くて簡単に人の事を信じてしまう老人。

ウディの息子で電機屋を営む、デイビッド。
恋人に別れを告げられた、結婚に躊躇している男。
百万ドルの懸賞金に当選したと勘違いしたウディ。
誰が諭しても聞き入れない。
誰が止めても諦めない。
歩いてでも賞金を受け取りに行こうとする。
トラックが欲しいから。空気圧縮機が欲しいから。
止めても止めても隙を盗んでは、家を出る。

息子が仕事が有るから連れては行けないと諭した時、
それが理由なのかと詰め寄るウディ。
理由は分からないが父親の必死さは理解したデイビッド。
きっと、今までは、父親にあまり構ってはこなかったのだろう。
ウディをリンカーンに連れていく事を決める。


久しぶりに一族が集まった。
女たちは近況や昔話に花を咲かせる。けれど、
男たちは無言でテレビを見るだけ。会話といえば車の事のみ。
確かに親戚の集まりとはこんな感じで、妙に笑える。


ウディが懸賞金に当たったことを知った時、最初は皆がウディを祝福した。
しかし、金銭欲と妬み。
懸賞金を別けろと迫る親戚と昔からの友人。
今の、楽ではない生活を少しでも良くしたい。
そう考えるのは仕方の無い事なのかもしれない。
けれど、考えているのは自分の事だけ。

懸賞金が勘違いと分かった時、人々の態度は豹変する。
テッドの愚かさを笑う人々、罵る人々。
しかし、彼らが笑い罵っているのは自分自身。
懸賞金を信じ、浮かれ、別けろと騒いだ自分たち自身。
そこが、とても醜く感じてしまう。


それでも、はリンカーン行きを諦めないエディ。
トラックを買っても空気圧縮機を買ってもお釣りがくる大金。
逆に多額の懸賞金が無くても買えるもの。
懸賞金に父親が固執した理由。
それは息子たちに何か残したかったから。

旅の途中で息子が知った父親の事。
朝鮮戦争に従軍し、苦しみ、酒に溺れていた。
だから子供たちにも何もしてやれなかったのだろう。
けれど、せめて息子たちに何かを残してやりたい。

生きてさえいれば、人生手遅れなんて事はないのだろう。
何も持っていなくても、人は何かを愛する者に分け与えることができるのだろう。

息子たちに何か残したいと切望していたウディ。
しかし、実は既に彼らに残していたのだ。
その愛情に応えるデイビッド。

トラックを運転するウディの誇らしげな顔。
最後まで祝福していた人々は笑顔を向け、
妬んでいた者たちは、あっけにとられている。
その対比も痛快。

うだつが上がらない父親。
けれど、本当はもっと尊敬されても良いほどの心の優しい人。
旅を通してそれを知ったデイビットの、父親への贈り物。
父親と息子の思いやり、愛情が心に染みる映画。


あとは余談ですが、、、

身内の誰かが懸賞金を当てた時、
私も別けろと迫るかもしれない。
他人の幸せと達観できる自信はない。
けれど、それが勘違いと分かったときは、せめて、
良い夢を見させてもらったと、笑える人間に成りたい。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1194 / タイトル な行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY

  非公開コメント
TRACKBACK TO THIS ENTRY

ご注意

ブログ内検索

全ての記事を表示する

プロフィール

ヤン

銀河英雄伝説名言録



present by 田中芳樹:徳間書店「銀河英雄伝説」

フリーエリア

FC2カウンター

フリーエリア

ブロとも申請フォーム

フリーエリア

CopyRight 2006 Heaven of the Cinema All rights reserved.