日本のいちばん長い日  
2014.06.26.Thu / 14:24 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






大日本帝国が滅びようとする、その日。
天皇の意思に従い無条件降伏を受け入れる者たち。
敗北という受け入れがたい事実を前に暴走する者たち。

思いは違えども、彼らに共通しているのは、
日本の未来を純粋に案じ、憂いての行動であるということ。
そこに私利私欲は微塵も無い。

様々な人々の思想、行動、その顛末。
日本とは、どうあるべきか、
日本人とは、どうあるべきなのか。
そんなことを考えざるを得ない映画。

全編2時間以上の映画。
しかし、その長さは感じられない。
豪華俳優人たちが演出する熱気に溢れた濃密なシーンの連続。
それを見事に構成した岡本監督の手腕。
まさに、日本を代表する名作。




第二次世界大戦末期。
これ以上の戦争継続は不可能と判断し、
無条件降伏の受諾を決定した天皇陛下。
それは、国民の為。

過去においては、多くの独裁者が最後まで徹底抗戦を指示し、
多くの兵士や、一般市民までをも道づれにして死んでいった。
もし、日本も本土決戦を実施すれば、
原爆が再び国土を焼き、多くの国民が死んでいったことだろう。

天皇陛下の言葉に涙する閣僚たち。
天皇陛下の慈悲深さ、そして、自らのふがいなさに涙したのだろう。
このシーンからは日本の美しさを見させられたように感じる。



無条件降伏を受け入れると決まったはずなのに、
遅々として進まない降伏を受諾するための様々な処理。
その間にも戦闘は繰り返され、
失われてはいけない命が散ってゆく。
しかし、大日本帝国の葬式には時間がかかるのだろう。
そして、受け入れがたい事実を受け入れるにも。



玉音放送を止め、戦争を継続しようとする者たち。
初めての敗戦に対する恐れ。
未来に対する絶望。
戦争教育で培われた筋金入りの思想。
国のことだけを思いつめる純情さ。
それら総てが彼らを突き動かしているのだろう。

結果だけを知っていれば、彼らが間違っていると簡単に言えてしまう。
しかし、戦後という結果を知らなければ、どうであろうか?
日本は滅ぼされ、この世から消滅してしまう。
そんな未来が待っていると思い込んでしまったのならば、、、

いや、それでも個人の思い込みと武力でもって、
多くの人々を巻き込み、国の方針を変えようとするのは、
大きな間違いなのだろう。

しかし、彼らの国を思う純粋さは美しい。
とても無責任な行為であり、その方向性が間違っているとしても。
そして、彼らの指摘どおり、
彼らが持っていた純粋さは、
今はもう、この国には無いのかもしれない。
それが良いことなのか、悪いことなのかは、別として。



無条件降伏受諾の処理がすべて完了し、
鈴木首相に暇乞いに来た、阿南陸相。
意見は異なれども、国を思う気持ちは同じなのだろう。
激しく議論を重ねても、相手に対する敬意は少しも失われてはいない。
そして、二人は日本の未来を信じている。
それは、多くの人々の国を思う情熱を見続けてきたからであろう。


多くの人々が無心で守ろうとした日本。
であるならば、
日本とは、どうあるべきか、
日本人とは、どうあるべきなのか。
それは、個人が国の平和と繁栄を願い、
国が国民一人一人の幸福と平穏を願う国、
そして、たとえ異なる意見を持とうが、
お互いの考えを尊重し、敬意を払うことができる国民、
なのだろう。
それらの一部でも欠けてしまったのならば、
滅亡の道を歩んでしまうのだろう。
そんなことを考えざるを得ない映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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