レイジング・ブル  
2014.07.10.Thu / 21:37 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






愛が深いというよりは独占欲が異様に強い男。
失うことを恐れ、恐れるが故に総てを失ってしまった男。

彼の悲劇は失ったことではない。
なぜ、失うことになってしまったのか、
それが分らないことが彼の悲劇なのだろう。

選手として最善を尽くし勝利してきた。
しかし、一人壁を叩く男は、
なぜ自分がそこにいるのかが最後まで分らない。

盲目であった男。
その悲哀さが心に染みる映画。




愛情というよりは独占欲が強く、
独占欲が強いが故に猜疑心が強く、
他人の言う事を聞かずに自分の思いを貫く男、ジェイク。
孤高の道を歩むファイターとしては、その性格は適しているのかもしれない。
けれど、家族を幸せにしなければならない家長としては、
とても向いていない男。
結婚をして家族を持ち、兄思いの弟も居る。
ボクサーとしては勝ちを重ねチャンピオンにもなった。
幸せになるための条件はそろっている、はずだった。
けれど、皆が彼のもとを去ってゆく。
オーナーだったはずの店も奪われた。
なぜ、このようになってしまったのか。
刑務所の壁をたたき続けるジェイク。
その姿が痛々しい。

それは自業自得であり、
それまでの家族や肉親の扱いを観ていると、
とても共感はできなかった。
しかし、壁を一人叩くジェイク。
彼は彼なりに栄光を掴む為に努力を重ねてきた。
それが、とても哀れに見えてしまう。


映画の最後でのジェイクの台詞。
彼は彼なりに今の生活を楽しんでいるようにも見える。
しかし、親しい人々には去られ、チャンピオンであった過去の栄光も無い。
なぜ彼は、ここまで落ちぶれてしまったのか?
自分の信じる道を曲げて八百長に加担してしまった。
信念を曲げず、八百長であってもマットには沈まなかった。
けれど、自分の道を曲げてしまったことには変わりない。
だから、今のように落ちぶれてしまった、そう感じているように見える。
けれど、それは違うのだ。

最後まで自分の何が悪かったのか、わからなかった。
それこそが、彼を今の境遇に落としてしまったのだろう。
果たして彼が、過去において気づいてやり直すチャンスはあったのだろうか?
ボクサーとしての我の強さが彼をチャンピオンにして、
しかし、皆を彼から去らせてしまった。
多分、そんな生き方しかできないのだろう。

盲目であった男。
その悲哀さが心に染みる映画。

* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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