人類滅亡計画書  
2014.08.28.Thu / 11:41 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






人類の滅亡や文明の崩壊をテーマに描かれた三つの話から成るオムニバス映画。


腐ったリンゴを捨てたことにより、巡りめぐって人類の厄災となってしまった。
感情をむき出しにしてやりたい放題を繰り返す、ゾンビたち。
しかし、まともな人々も成すすべなく、
感情をむき出しにして意味の無い議論を繰り返す。
そして大国であるアメリカの超法規的措置により国ごと排除されてしまう。
皮肉と自虐性を強く感じさせる一編。


人間とロボットとの違い。
ロボットが自分たちの領域を侵すという恐怖。
しかし、曇りない眼で見つめれば、ロボットと人間には違いが無い。
恐れる必要などないのだ。
人間の存在について考えさせられる一編。


注文したビリヤードの玉の為に破滅を迎える人類。
少女にとっては、下手をすればトラウマにもなりうる行為。
しかし、少女は、それを最後には受け入れる。
10年という長い年月が彼女に受け入れる時間を作ったのか?
しかし、それ以上に彼女の心を癒したのは家族の愛情。
荒唐無稽な話を最後には信じ、それを皆で避けようとした。
それは少女の心に平穏をもたらしたのだろう。
家族の暖かさが印象的な一編。




時間的な制約のためなのか、
どれも荒削りでまとまりに欠けている印象を持ってしまう。
もっと時間を掛けても良いテーマを様々な制約の中で野心的に描いた映画。
そして、不思議な躍動感に溢れた映画。
腐ったリンゴを捨てたら、
それが家畜の餌になり、巡り巡って自分の所に還ってくる。
それは、なんとも言えない皮肉。

街に蔓延るゾンビ。しかし成す術無き人々。
初期の段階であれば有効な手立てもあったかもしれない。
しかし、意味の無い議論を重ね、相手を中傷する人々。
無駄に時間が費やされ、気づいたときには、もはや手遅れ。
自分たちの力だけでは何も解決できないのか?
これも、なんとも言えない皮肉。

事態を収集するために、ついに動き出す大国、アメリカ。
あの国だけでは解決はできないと判断したのだろう。
全てを焼き尽くして解決を図るのは、まさにトカゲの尻尾切り。
これも、なんとも言えない皮肉。

ラストに見つめあう、かつての恋人たち。
この一瞬を記憶していたい。
良かったことも悪かったことも。
果たして彼らのラストは幸せなラストなのか、不幸なラストなのか?



悟りを開いたロボット。
本来、人間は煩悩とどのように向き合うかを見出すために、
悟りの道を歩むはずだ。
しかし、煩悩が無いはずのロボットが悟りを開いてしまった。
それは一体何故なのか?
煩悩が無い故に世界を平穏な瞳で見ることができる。
それ故に悟りを人間よりは簡単に開けるロボット。
実は人の目指すべき先にロボットが居るということなのか?

本来、人間の特権であるはずの領域。
しかし、ロボットたちは、その領域に踏み込んでくる。
このままでは人間が人間であるというアイデンティが侵害される。
それを極度に嫌った人々。
しかし、一方でロボットを人間のように敬う僧侶たち。

ロボットと人との差異。
実はそこには何もない。
静かな心で見つめれば、恐れることも無いのだろう。
恐れを克服することが悟りへの道に繋がるのだろう。



自分が注文したビリヤードの玉に滅ぼされてしまう人類。
その時の少女の驚き。それを信じない家族。
だから最初は孤独だった。けれど最後には信じてくれた両親、そして叔父。

皆が必死でビリヤードの玉を返品しようとする。
しかし力尽きてしまう家族。
けれど、その懸命さが少女の気持ちを救ったのだろう。

ビリヤードの玉に衝突して滅びた人類、そして、その10年後の世界。
あの時、ビリヤードの玉が壊れてしまったのは、なぜ?
それは、壊れてしまう時が来てしまったから。
あの時、人類が滅びてしまったのは、なぜ?
それは、滅びるときが来てしまったから。
そうやって、大人になった少女は、事実を受け入れたのだろう。
家族の愛情とともに。
だからこそ、助かった人は必ず居るはずという明るい未来を信じることもできたのだろう。


どの作品も、とても荒削り。
もう一歩踏み込めば、さらに面白くなったかもしれない。
けれど、この荒削りさが、この映画の持ち味であり魅力のようにも感じる。
野心的で不思議な躍動感に溢れた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1215 / タイトル さ行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY

  非公開コメント
TRACKBACK TO THIS ENTRY

ご注意

ブログ内検索

全ての記事を表示する

プロフィール

ヤン

銀河英雄伝説名言録



present by 田中芳樹:徳間書店「銀河英雄伝説」

フリーエリア

FC2カウンター

フリーエリア

ブロとも申請フォーム

フリーエリア

CopyRight 2006 Heaven of the Cinema All rights reserved.