天地明察  
2014.08.28.Thu / 11:45 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






天地を明察する。
多くの学者が望み、しかし叶うことがなかった夢。
けれど、それを成し遂げた男。

彼が、純粋に天の理を知りたいと切望したから。
多くの人が彼を好きになり、支え、それを彼が受け入れたから。
そして彼を支えた妻の愛情。

天地を明察したい。
その想いに真っ直ぐに向き合った男。
その真っ直ぐさが、とても気持ちよい映画。




星が大好きな囲碁師、安井算哲。
好きなことには、寝食を忘れ、真っ直ぐにのめり込む純粋さを持つ男。
そんな彼の資質をわかり易く端的に表現した冒頭が、とても見事。
北極出地観測隊を将軍後見役である保科正之に命じられた、算哲。
北極星の角度を見事当てた算哲を、誰もが祝福する。
そこに、見栄や嫉妬、妬みなどは一切存在しない。
誰もが天地の理を知りたい。解明したい。そして、手を届かせたい。
存在するのは、そんな純粋な想い、憧れだけ。
それは、算術問題を通して交流をした、関孝和との関係も同様だ。
算術の問題を通して、相手の情熱の深さや資質を知り合った二人。
新しい事を知った喜びに、口元がほころび、目が輝く。
そんな至福の時間。
見ていて、それらが、とても心地良い。


天地は明察できるはずであるという夢に目覚めた算哲。
そして、改暦の大役を命じられる。

算哲を信じ、自らの遺志を託した北極出地観測隊のリーダー。
算哲を、この大役に推挙し、支えた多くの仲間。

一度は勝負に敗れて失意の中にいた算哲。
そんな算哲に叱咤激励した囲碁のライバル、本因坊道策。
自分の研究成果を託した、関孝和。
立場を超えて協力をした、土御門泰福。
そして、算哲の傍で常に彼を支えた妻の献身と愛情。

彼らが、なぜ、算哲を、そんなにまでに信じ、支えたのか?
それは、算哲の人柄故なのだろう。
純粋に、真っ直ぐに、自分の大きな夢に、のめり込む。
きっと、その先には自分が見たい夢もきっと存在するはずだ。
そう感じて、算哲を信じ、彼の夢に賭けたのだろう。


映画の後半は、公家との暦を管理するという利権争いが中心に描かれる。
けれど、もう少し、
純粋に真理を追い求める、とか、
観測と論理によって既成概念に捕らわれた思想を改革する、や、
学術が人の生活を支え役に立つ、などを、
話の中心にした方が良かったように感じられる。
それがちょっと残念。



天地を明察したい。
その想いに真っ直ぐに向き合った男。
その真っ直ぐさが、とても気持ちよい映画。

* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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