LIFE!  
2014.10.02.Thu / 21:36 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






人生を変えるには何が必要なのか?
新しい挑戦への第一歩。
未だ見ぬ広い世界への旅立ち。
危険満載の大冒険。

確かにそれらで人生を変えることは可能だ。
けれど、もっと重要なことは、
自分の価値に気付くこと。


長い年月、雑誌の刊行を支えてきた。
それは彼にとっての誇り。
その誇りを守り、最後まで全うする為に冒険の旅に出た男。
ある意味で、それは自分探しの旅。
その旅の果てに彼が見つけ出したこと。
それは、地味な仕事でも、その責任を全うしてきた人々の誇り。


冒険が無くても、広い世界を見なくても、
人生を充実させることは可能なのだ。
そんなことに嬉しくさせられる映画。


映し出される雄大な自然。
今までとは作風が微妙に違う、ベン・スティラー監督。
それでも、今までの作品で感じられた、
監督の人柄の良さ、上品さが伝わってくる。




望みがあっても実行に移せない男、ウォルター。
妄想の世界に逃避し、
新しい上司からはボケた男と見下されてしまう。
フォトジャーナリストのショーン・オコンネルに、
LIFEの真髄と云わしめた写真。しかし、それが存在しない。
管理者として、それは決して許されないこと。
たとえ自分の失敗ではないとしても、自分の仕事として自分が許せないこと。
果たして写真は本当に送られてきてたのか?
ウォルターのショーン探しの旅が始まる。

初めてであろう、冒険の旅。
けれど、これは自分を変えたかったが為の旅ではない。
自らの職務を最後まで全うする為のネガ探しの旅。
ウォルターの背を押したのは彼の妄想かもしれない。けれど、
本当に彼の背を押したのは、ウォルター自身が持つ責任感と仕事への情熱なのだろう。

一度はショーンを見失った。
けれど、あなたはライフ誌を本当に理解している。
写真が人々の共感を得たのは、あなたの頑張りのおかげ。
そんなショーンの言葉に再び背を押されアフガニスタンに旅立つウォルター。
もはや、妄想の力も彼には必要は無くなっている。


遂に巡り合えたショーン。
しかし、すでに財布は捨ててしまっていた。
傷つくなあ、とはショーンらしい台詞だ。
もし、ウォルターがショーンの思うような人物ならば、きっと、
ネガを見つけたであろうし、少なくとも財布は捨てなかっただろう。
もしかしたらショーンはウォルターを試したのかもしれない。
ライフ誌の表紙を飾るに相応しい人物なのかを、、
そうだとすると、残念だ、という台詞はとても意味深だ。

残すべき瞬間、楽しむべき瞬間。
カメラに邪魔されずに今を楽しむ為に、あえてシャッターを切らない瞬間がある。
それでもウォルターの時はシャッターを押したショーン。
きっと、ウォルターに対する感謝の思いを伝えたかった為であろう。

捨てたと思っていた財布は実は母親が拾っていた。
失くしたと思っていた仕事への誇りも同時に拾ってくれていたのだ。


リストラは仕方が無い。けれど彼らには敬意を持って欲しい。
社是を信じ懸命に実践してきた人を。
最後のライフ誌の表紙を飾った写真。
それがリストラを実行してきた彼らの答えなのだろう。


ウォルターは、大冒険をして自信を持ったが故に変わることが出来たのか?
いや、それだけではないのだろう。
ネガ捜しという仕事をやり遂げて、見つけた自分自身の仕事の価値。
それは自分にしか分らないのかもしれない。
自分にしか評価できないのかもしれない。
けれど、自分が自分に満足のできる仕事。
だからこそ、自分に自信を持つことが出来たのだろう。

冒険が無くても、広い世界を見なくても、
人生を充実させることは可能なのだ。
そんなことに嬉しくさせられる映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1226 / タイトル ら行 /  comments(2)  /  trackbacks(2) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY
- from YAN -

そうですよね!
特別な冒険をしなくても、
人生を充実させる事は可能なんですよね☆

壮大で奇想天外な冒険を見せながら、
実はそれが大切ではない、
日々の生活の中に、地道に積み重ねてきた仕事の中に
大切なものがあるという結論は
とっても心地良いものでした!

ベン・スティラーはコメディ寄りでも
上品なものを作る人なんですね。
アメリカのコメディって下品なものが多いのに。
好きになりました☆

2014.10.07.Tue / 17:53 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

YANさん、こんばんわ。

そうそう、地道に積み重ねてきたものが、
実は自身の人生を充実させていて、
そして、他人にも、
最後にキチンと評価されるのは、
とても嬉しい展開でした。

実は、ベン。スティーラーさんの作品は実は、
数をそんなには見てませんが、
感想は書いてませんが、ペントハウスとか、
ナイト・ミュージアムなんか、
面白くて、でも、ほのぼのとした作品でした。

それじゃ、また。

2014.10.07.Tue / 22:22 / [ EDIT ] / PAGE TOP△

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