her/世界でひとつの彼女  
2014.10.16.Thu / 13:12 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






心に大きな不安を抱えた男。

過去は自分で造る物。
嫌な思い出を反芻し、ダメな自分を繰り返し否定し、
自己嫌悪に陥る。
その繰り返し。それは典型的な悪循環。

恋愛とは自分と向き合うこと。
恋愛相手はいわば自分を写し出す鏡。

人生は短くて、どんなことも起こりうる。
自分が楽しむこと。自分が自分らしくあること。
それが肝心なのだ。
どんなに自分を否定し傷つけても、
自分は自分でしかあり得ないのだから。

OSである彼女と知り合い、
自らが抱えた恐れを克服できた男。
そんな男の幸せにしみじみしてしまう映画。



サマンサの声を演じたスカーレット・ヨハンソンさん。
とても感情豊かで、親しみやすく、妙に色っぽく、時に幼く、
ユーモア溢れて、母性愛も感じさせる。
声だけなのにサマンサの魅力が十二分に伝わってくる。
スカーレット・ヨハンソンさんの声だけの演技が堪能できる映画。




長年生活を共にしてきた妻と別れた男、セオドア。
過去を振り返り、記憶を反芻しては、頭の中でやり直す。
そして、自身の不甲斐なさを見つけては自己嫌悪に陥る。
自分を否定して、苛立ち、自分に自身が持てないでいる。
そんな悪循環に陥っている男。
過去は自分で造るもの。
過去で起こった事は現実。
しかし、それをどう解釈するかは自分次第。
自分を否定してしまえば、それは悲惨な過去。
悲惨な過去とは自分で造り出しているものなのだ。
そして、それは今の自分をも否定することにも繋がってしまう。


自己学習ができるAI、コンピューターのOSである、サマンサ。
単に有能な秘書だけではない。
会話だけ聞いていれば、本当の人間のよう。
ユーモア溢れ、何にでも興味を持ち、そして、とても優しい。
なんでも受け入れてくれるサマンサにセオドアは本音を語る。
それは、どんな事を言ってもサマンサはセオドアを否定をしないから。

一晩だけのデートをした女性。
別れを決めて会うことにした元妻。
セオドアは、楽しいひと時を過ごしたいと考えていた。
しかし、それは脆くも崩れ去る。
なぜなら、彼女たちには受け入れられないことがあるから。
受け入れられない故に強くセオドアを否定する。
それは人間関係においては避けては通れないことなのだろうし、
かつてのセオドアも元妻を否定していたのだから。


元妻に否定されたことで、サマンサとの関係も悪化してしまった。
現実世界ではサマンサはプログラム。単なるコンピュータ。
しかし、それを受け入れるかどうかは自分次第。
恋に落ちたら、誰もが狂気になる。それは社会的に受容された狂気。
生きている時間は限られている。
だから自分が楽しいと感じたことを楽しむ。
そんな事実に気付かされたセオドア。


肉体が無いとしても、プログラムであったとしても、
サマンサとは恋人という関係を築いていける。
しかし、成長の早さが違うのであれば、、
そして、道徳観や価値観が違うのであれば、、
恋人同士で居ることは難しい。
それは人間同士であってもだ。

最後にはセオドアに別れを告げるサマンサ。

恋愛にとって大切なこと。
相手に感謝し、相手を受け入れること。
共に成長し、同じ価値観を築いてゆくこと。
それはOSであっても、人間であったとしても。
それに気付いたセオドアは元妻に感謝の気持ちを伝える。
まずは、そこから始めたのだろう。
そして、心の不安を取り除くことが出来たのだろう。

自らが抱えた恐れを克服できた男。
そんな男の幸せにしみじみしてしまう映画。

* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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