2014.10.23.Thu / 14:15 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




しかし
過ぎ去ってしまえば
全ては幸せな思い出


不思議な出会い方をした男と女。

自信を失い、道を失い、人生を重ねていく二人。

それぞれの生活のしがらみ故に、相手を見失い、
しかし、お互いがお互いにとっての大切な人であるということに、たどり着く。
けれど迎えてしまう悲しい別れ。

楽しかったこと、辛かったこと、楽しいこと。
しかし、過ぎ去ってしまえば、全ては幸せな思い出。
出会った多くの人々、去ってしまった人々。
失った人々に思いをはせ、
残された人々との絆の大切さをかみしめ、
彼は残りの人生を生きていく。

過ぎ去ってしまった過去の総てが愛おしい。
そんな境地にたどり着いた男。
そんな男の幸せさが不思議な余韻となって心に染みる映画。




大学の卒業日に初めて言葉を交したエマとデクスター。
運命の悪戯で肉体関係には成らなかったものの、
強く魅かれ合う二人。
夢を持ってロンドンに移住したエマ。
しかし現実は甘くは無い。
厳しい現実に自信を失ってゆく。

具体的な夢は持っていなかったのだろう。
行き当たりばったりに生きているように見えるデクスター。
芸能界で成功してしまい、自分を見失っていく。


彼らが、なぜ肉体関係に至らなかったのか?
運命の悪戯、タイミングの悪さ。
けれど、多分彼らは理解していたのだろう。
肉体関係を持ってしまえば、それが二人の関係の終わりの始まり。
行き着く先は別れ。
相手のことが大事、この関係を大切にしたい。だから一線を越えない。
人生が無限に続くと錯覚している若い二人は、
二人の仲を進展させるよりも現状を選んだのだろう。

けれど、社会人として生活を続ける内に、それが変わっていく。

自分たちの生活が上手く行っている時は、
それほど相手を思わなかったのかもしれない。
しかし、自分の生活が上手く行かなくなった時に思い浮かべるには、お互いのこと。
けれど、すれ違ってしまう。
なぜなら、お互い既に自分の生活を持っているから。
エマにはイアンという恋人が居て、
デクスターにはシルヴィという妻が居る。
だから、お互いがお互いに踏み出せない、お互いに遠慮してしまう。


芸能界で自分を見失ってしまったデクスターに別れを告げるエマ。
しかし、それでも二人の仲は続いていく。
友人の結婚式で再び出会う二人。
長い時を経て、お互いのことをよく理解している二人。
いわば、人生を戦ってきた戦友のような感じなのだろう。


随分と遠回りをしてしまった。
最後には意を決したのだろう、パリにやって来たデクスター。
その気持ちに応えるエマ。
しかし、エマは死んでしまう。
人生は終わってしまったと自暴自棄に陥るデクスター。
けれど、仲が良くなかったはずの父親が彼を救う。
「彼女が生きているというつもりになって生きてみろ。」
「わしは10年もそれをやってる。」
それは、人生の先輩であるが故に重みと説得力があり、
愛ある父親であるが故に、とても暖かい。
そして娘の存在もデクスターを救ったのだろう。

イアンと再会するデクスター。
愛する人を失った悲しみは消えないのかもしれないが、
それでも、残りの人生を残された人々と生きていこうとする二人。
今ならば、憎しみを乗り越えて、正直に自分の気持ちを告げられる。
そして、相手を許し、受け入れられる。
もう、連絡は取り合わない。
それでも相手の存在は自分の心から消えることは無いのだろう。
相手の存在に対する感謝の思いと共に。



楽しかったと、辛かったこと、楽しいこと。
しかし、過ぎ去ってしまえば、全ては幸せな思い出。
出会った多くの人々、去ってしまった人々。
失った人々に思いをはせ、
残された人々との絆の大切さをかみしめ、
残りの人生をデクスターは生きていくのだろう。

過ぎ去ってしまった過去の総てが愛おしい。
そんな境地にたどり着いたデクスター。
そんな彼の幸せさが不思議な余韻となって心に染みる映画。




* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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しっかり者で真面目、けれど自分に自信がもてないエマ。 ちょっとチャラ男なところも
2014.10.31.Fri .No635 / はらやんの映画徒然草 / PAGE TOP△

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