ジャンプ  
2014.11.06.Thu / 22:43 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






日常生活では意識しない。
けれど、日常生活を離れた時、改めて考えてしまう。
果たして、自分は目の前の人間のどこまでを理解していたのか。
果たして、自分は自分という人間のどこまでを理解していたのか。


理由が分らなければ諦めも踏ん切りもつかない。
だから追い求めてしまう。
あの時、こうしていれば、という後悔とともに。
けれど理由が無くても諦めることは出来るのだ。
あの時、こうしてしまったから、と。


運命の瞬間に別な選択肢をしていれば人生の結果は変わるのか、変わらないのか?
どちらが正しいかは分らない。けれど、
どんな選択をしても。結局は収まるところに収まるはず。
そう考えたほうが、
より良い人生を生きることが出来るはずなのだろう。
変わると考えてしまうのは後悔と未練の思いからなのだろう。

自分の生き方を既に見つけていた女性。
自分の生き方を見つけることが出来た女性。
そして、自分の生き方を悟った男性。
それは運命なのか必然なのか。

交差するお互いの人生。
その縁の不思議さが印象深い映画。


映画初主演である原田泰造さん。
けれど、とても自然に役をこなす。
もっと、他の映画でも彼の演技を見てみたい。
そんな気にさせる映画。



とても普通で心優しい会社員、三谷。
サラリーマンという言葉がよく似合う男性。
自分に自身が持てない、みはる。
だから今の状況を素直に受け入れて良いのか、
とても迷っているように見える女性。

映画の冒頭。人ごみの中で、みはるを探す三谷。
その姿を見て幸せを感じたと話した、みはる。
それは嘘ではなかったのだろう。
けれど、本当は見つけ出して欲しかった、と思っていたようにも感じられる。
それは、今の自分を三谷に見つけて欲しかったから。
自分にすら見つけられない自分を三谷に見つけ出して欲しかったから。


とても幸せそうに見えた二人。
けれど、突如として姿を消してしまう、みはる。

自分は、みはると付き合っている、と思っていた。理解していたと考えていた。
けれど、みはるの行き先が分からない。
何を考えて何に悩んでいたのか。それすらも分からない。
そして、徐々に知ることになる、今まで知らずにすんできた、みはるの過去。
その事実に愕然とする三谷。

けれど、それは致し方ないのかもしれない。
自分に自身が持てないみはるは、自分の多くの事を隠していたに違いない。
けれど、人と人とは、それでも付き合うことができてしまうのだろう。


みはるの身に危険が迫っているわけでもない。
みはるは自分自身の意思で姿を消したことも分かってきた。
それでも、諦められない。なぜなら明確な理由が無いから。
明確な理由がなければ、納得できない。先に進むこともできない。
そんな三谷に、学生の頃の経験を聞かせて三谷を諭そうとする、みはるの父親。
あの時、靴を欲したから、彼女は消えたのだ。

あの時、リンゴを買いに行くのを許したから。
あの時、飲めない酒を飲んだから。
あの時、出張に行ったから。電話に出なかったから。

割り切り方としては、ありなのかもしれない。
しかし、後悔の念となって、割り切ることもできないのも、また事実。
これは、生き方としては非常に難しい。
割り切れたほうが楽で、前向きだとも思う。けれど簡単には割り切れないのが人間だ。

しかし、あの時の選択をやり直しても実は同じ結果が待っている。
そう、割り切ることも可能だ。
真実は分からない。けれど、その方が遥かに建設的だ。
結局は収まるところに収まる。
それぞれにおける、それぞれの人の生き方に従った結果が待っている。
そう、考えたほうが気が楽だし、前向きなのだ。


愛する人の為に人生を捧げる。
そう生き方を決めていた鈴乃木は、三谷と結婚した。
自分の人生に疑問を感じていたみはるは、
父親と同じ行き方に自分の生き方を見出した。

多くの経験を経て、自分は一人で生きているわけではないことを悟る三谷。
愛する人が失踪しても、その人との繋がりがリセットされるわけではない。
いなくなって心配する人、生活に影響を受ける人。
簡単にリセットなどできない。
昔は嫌な上司だと思っていた男とも長い時間の後ならば打ち解けることもできる。
そして、自分を想っていてくれた人の存在。
きっと、三谷は、そんな人々の為に残りの人生を生きていくだろう。


交差するお互いの人生。
その結果として、自分自身の行き方を見つけることができた。
その縁の不思議さが印象深い映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1236 / タイトル さ行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
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