トスカーナの贋作  
2015.08.06.Thu / 19:46 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






見る人によって、
様々な解釈や感想を持つであろう映画。

映画の前半は本物と偽物についての議論。
途中から、お互いに気のある男女の噛み合わない会話。
最後には、長く連れ添った夫婦の、迷路に迷ったような会話。
そして、最初は知り合ったばかりの男女が、
最後には長年連れ添った夫婦になってしまう不思議さ。

その総ては男女が織り成す迷宮を演出する小道具や設定のようなものに感じられた。

お互いに対する愛情が醒めたわけではない。
しかし、すれ違う夫と妻。
やり直したい、関係を修復したい、
しかし、それは徒労に終わってしまう。
何がいけないのか、
男と女の価値観の違い。
相手に対する望み。
相手に対する感情のもつれ。
日常生活の、特に育児や仕事に対する疲れ。

そんな不可思議な迷宮に戸惑い、迷い惑わされる映画。




作家である、ジュームス。
そのファンであろう、女性。
贋作と本物の違い。それはとても曖昧。
当人たちが贋作を本物と思えれば本物の価値がそこにある。
本物であっても、それは何かの模倣でもある。
区別すること自身に意味も無い。

最初は、知り合ったばかりの男女のように見えた。
けれど、最後には長年連れ添った夫婦のように見えてくる。
知り合ったばかりの男女が本物の夫婦を演じただけなのか?
それとも、
最初は他人同士を装っていた夫婦なのか?
そこに意味は無いのだろう。
そして、それは、見る人が決めることなのだろう。
重要なのは、不可思議な世界に迷っているという感覚、のように思える。
とても単純な仕掛けなのに、
いつの間にか迷宮に迷い込んでしまった錯覚に捕らわれる。
そんな感情を観客に与えたかったのだろう。


最初はお互いに気のあった男女。
しかし、会話は噛み合わない。
相手が喜ぶだろう、笑うだろう、と話をしても、
自分本位な感情で、それを否定したり、ぶち壊したり、、、

育児というのは女性にとっては重労働。
外で働くということは男性にとっては重い責務。
それをお互いに理解仕切れていない。

それは夫婦の関係になって、さらに酷くなる。
相手を感情的に否定する。
男が女に求めているのは、平穏や安定。
女が男に求めているのは、ときめきや喜び、労わり。
理解は出来ているのだろうが、感情が邪魔をして素直に成れない。
男にとって過去は過去。
それは、過ぎ去ってしまった遠い日の出来事。
女にとって過去は憧れ。
今に取り戻したい宝であり、今に繋がっていると信じたい出来事。

話は平行線のままに終了を迎える。
完全な解決案は無い。
お互いに少し歩み寄らなければ、、、

迷宮に迷いこんでしまった夫婦。
それは、どんな夫婦にも起こりうること。
そんな不可思議な迷宮に戸惑い、迷い惑わされる映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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