エレファント・ソング  
2015.09.24.Thu / 21:11 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






嘘をつき、話題をはぐらかし、
人の神経を逆なでする。
とてもいけ好かない青年。

しかし、最後に理解される、青年の本当の姿。

愛情の姿は、人様々。しかし、それを受け入れる側の期待もそれぞれ。
自分の期待したものと違っていても、そこに愛情が無いわけではない。
しかし、そんなことが分っていても感じてしまう孤独。
そんなことに物悲しさを覚える映画。




行方不明になったローレンス医師を捜す為、
精神病棟の患者であるマイケルと面談をするグリーン院長。
しかし、なかなかにマイケルは曲者で真実をつきとめるのは容易でない。
真実に嘘を混ぜて応える。
人の悪口を言って、相手の神経を逆なでする。
話題をはぐらかし、人の揚げ足をとり、
関係の無い話をして、人を愚弄する。

しかし、最後にマイケルの意図が分る。
最初からマイケルは死ぬことが目的だったのだ。

面談からピーターソン師長を排除する。
自分の過去にはふれさせない。
そしてチョコレートを食べること。
マイケルが提示した三つの条件は彼が死ぬ為に必須なこと。
それを認めさせる為の会話だったのだろう。
マイケルも必死だったのだ。

あれだけ人を愚弄しておきながら、
しかし、マイケルには死後に不思議な懐かしささえ覚える。
彼の聡明さやユーモアも余裕があれば楽しめたのかもしれない。
しかし、それ以上に、
マイケルは自分が死にたい心情を、
遺された者達にキチンと説明したからでもあろう。
それは、マイケルなりのけじめであり、優しさなのだろう。
自分の死を、自分の死に巻き込んだ人に引きずって欲しくない。
そんな優しさのようにも感じた。


両親に愛されたかった。
期待させておいて、しかし、すれ違ってしまった。
ローレンス医師にも愛されたかった。
彼は自分を愛してくれていた。
けれど、自分が求めるものとは違っていた。
生まれてからの19年間の長い孤独を終わらせたかった。


面談の途中、
マイケルと和解し心を通わせることができたと感じていたグリーン院長。
それは、ある一面では正しかったのかもしれない。
しかし、別な面ではマイケルの演技でもあったのだろう。
彼が死にたいことを見抜けなかった。
本当はもっと適切な接し方があったのかもしれない。
だからこそ、辞職を決めたグリーン院長。

愛情の姿は、人様々。しかし、それを受け入れる側の期待もそれぞれ。
自分の期待したものと違っていても、そこに愛情が無いわけではない。
しかし、そんなことが分っていても感じてしまう孤独。
そんなことに物悲しさを覚える映画。

最後に待ち合わせをするグリーン院長とピーターソン師長。
彼らは、やっと、彼らの孤独を乗り越え愛情を確かめ合うことができたのだろう。
そこに救いと安堵感が感じられた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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