ストーカー  
2015.10.08.Thu / 14:57 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






幸福とは何なのか。
何を得れば人は幸せに成れるのか?
何を信じれば人は幸福になることができるのか?

願い事を叶える不思議な場所、ゾーン。
そのゾーンを信仰しているストーカー。
世界に疲れ、何を欲しているのか途方に暮れる作家。
ソーンは世界を不幸にすると信じている教授。

結局、
何もしなかった。
何も出来なかった。
結論は先送りされ、
疲労感と絶望だけが心に残る。


幸福とは何なのか。
何を得れば人は幸せに成れるのか?
何を信じれば人は幸福になることができるのか?
そして、信仰とは何なのか?
壮大な迷宮に迷い込んでしまったように感じられた映画。



圧倒的な映像美。
水と光の使い方が絶妙。
何気ないシーンなのに緊迫感が半端ない。
そんな映像美も堪能できる映画。
隕石の影響なのか。異性人の仕業なのか。
軍隊を送っても帰っては来ない。
もっとも切実で一番の願いが叶う場所、ゾーン。
しかし、知識と運が無ければたどり着くことが出来ない場所。

ゾーンを信仰しているストーカー。
ゾーンだけが唯一、人々を導き、幸せにする存在であると信じている。
人々をゾーンに導くこと。
それは、世間では何も出来ない自分にとっての天命であり、
それに生きがいと誇りを持っているようにも感じられる。


最近はヒット作に恵まれない、作家。
ひらめきを取り戻す為にゾーンに行こうとした男。
けれど、それに、何の意味があるのか?
果たして自分が書いた本は未来永劫読み継がれるのか?
自分は単に消費される存在。
自分の総てをさらけ出し、消費しつくされ、
飽きられては捨てられる。
一体何が自分の本当の望みなのか途方に暮れている。


映画の冒頭ではゾーンに行く動機が不明であった教授。
しかし、後半では、ゾーンを否定し、
ゾーンを破壊することが目的であることが分る。
個人の願望を満たすことが必ずしも全体の幸福には繋がらない。
逆に悪しきものを生み出すことにも繋がりかねない。
そして、人々がゾーンの事を知れば、、
争ってやってくるだろう。そして悪しきものが量産されてしまう。
だから、ゾーンを破壊したかったのだろう。



ゾーンに向かうまでの緊迫感。
ここまでだけの印象からだが、
ゾーンが被爆地のように感じられる。
それまでは人々が生活していた。
けれど、一切が停止してしまった世界。
もしかしたら、
ゾーンとは先のことを考えない欲望により生み出された場所、
という意味が込められた場所なのかも知れない。


ゾーンに入ってからも緊迫感は続く。
手続きを踏まなければ死んでしまう旅。
ナットを投げて進む姿は、後から考えれば滑稽だ。
しかし、見ている間は微塵にも滑稽さは感じられない。
そして、手順を踏む行動は儀式のようにも見える。
その行為自身には深い意味は無く、
でも、その行為を実行することに意味がある。
ゾーンに受け入れられ、認めてもらう為に。
そんなようにも見える。


やっとゾーンにある、願いを叶える部屋にたどり着いた三人。
けれど、部屋には誰も入らない。

自分に対峙することに臆したから。
何が正しいのか分らなくなってしまったから。


個人の願いを叶えることが、その人の幸せに繋がる。
深く考えもせず、単純にそのように信じていたストーカー。
だから人々をゾーンの部屋に導くことに誇りを持っていた。
けれど、世界はそんなに単純ではない。
だから、ラストの彼はとても不幸せだ。
世界が雑多で複雑で、
単純なゾーンへの信仰心だけでは救うことができないと知ってしまったから。

幸福とは何なのか。
何を得れば人は幸せに成れるのか?
何を信じれば人は幸福になることができるのか?

奇跡の力を持つ、お猿。
けれど、彼女はちっとも幸せそうには見えない。

壮大な迷宮に迷い込んでしまったように感じられた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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